Google CloudのCEOが描くインテリジェントオートメーションの姿

Google Cloudはどのようなオペレーションオートメーションの未来を描いているだろうか。同社が持つ技術、提携によって実現する機能を見ることで、Google流のインテリジェントオートメーションの未来像が見えてきた。

» 2021年10月06日 10時00分 公開
[ITmedia]

 RPAのような自動化ソリューションは、業務に潜むほそぼそとした手作業を自動でデジタル化し、ビジネスプロセスの完全デジタル化を助ける仕組みとして期待されてきた。だが、AI(人工知能)技術の進展によって、企業の付加価値向上につながるより高度な使い方が考えられるようになってきた。

 Automation Anyware(AA)とGoogle Cloudは2021年3月、インテリジェントオートメーションの普及拡大を目指した業務提携を発表した。この業務提携によって、AAのRPAプラットフォーム「Automation 360 Platform」がGoogle Cloudで利用できるようになった。両社はGoogleのAI技術、AAのRPAを生かしたソリューション開発を進める。例えばGoogleが持つAPIマネジメントツール「Apigee X」(関連記事)や「Google AppSheeet」「AI Platform」とAAのRPAを組み合わせて広範囲の自動化も推進する。両社ソリューションの組み合わせは業種業態を問わないが、当面は金融やサプライチェーン、小売、ヘルスケアなど業界ごとに特化したユースケース開発に注力する計画だ。

 事業基盤のクラウドシフトと業務の自動化を進める上で2社の提携が持つ意味は大きい。2021年8月にオンラインで開催されたAAのイベント「Imagine Digital Japan 2021」ではGoogle Cloud CEOのトーマス・クリアン氏が登壇し、両社の提携がもたらす価値を改めて示した。

AAのCEOであるミヒール・シュクラ氏(画像右)とリモートで登壇したGoogle Cloud CEOトーマス・クリアン氏(画像中の投影画面内)

 講演でクリアン氏が強調したのは「私たちはもはや5年前のサービス提供スピードに満足できない」「自動化はコスト削減のためのものではない」という点だ。

業務プロセス効率化の3要素と「サービスとしてのビジネスプロセス」実現

 「現在、多くの企業の課題はデジタイゼーション実現にある」とクリアン氏は指摘する。デジタイゼーションの目的はオムニチャネルやテレヘルス、デジタルバンキングなど多様だが、クリアン氏は「どの業界にも共通する2つの要件がある」と語る。(1)データや機械学習をどう活用して何を自動化すべきかを特定すること、(2)基幹システムのオープン化とそれに伴う自動化をどう実現するかだ。

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