大企業で導入が進むVDIだが、実はここ2年間で導入企業数は減少し、中には物理PCに「逆流」した事例もある。なぜ今、仮想から物理PCの「逆流」が起きているのか。これから最適なセキュリティの在り方とは。
この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。
ガートナージャパン(以下、ガートナー)の2020年11月の調査によると、セキュリティへの意識が高まり続ける現在、日本でVDI(Virtual Desktop Infrastructure:仮想デスクトップ)を利用する企業は全体の17%、社員数2000人以上の大企業の38%に上る。ただし、中堅・中小企業を中心にVDIに関心を持つ企業が増える一方で、大企業のVDI利用率はこの1〜2年間で1割程度減少しているという。
2021年10月6日に行われた「ガートナー セキュリティ&リスク・マネジメントサミット 2021」のカンファレンスでガートナーの針生 恵理氏(シニアプリンシパルアナリスト)はこの理由について、「1つにはVDIへの誤解がある」と指摘する。
全社一律で仮想デスクトップを採用しなければいけない、あるいは仮想デスクトップではWeb会議ができないといった誤解がVDIを遠ざけているという。また、VDIが広まるにつれて期待が高まり、「もともと求められていたものとは異なる多様なニーズが生まれつつあるのが、VDIの利用率が減ったもう1つの理由」と分析する。
こうした中で起きているのが、VDIから物理PCへの逆流だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.