IT資産の複雑化を解消するには “失敗しない”マルチクラウド戦略の4つのポイントCIO Dive

多くの企業がハイブリッド/マルチクラウド戦略を採用しているが、導入のロードマップは適切だろうか。IT資産の複雑化によって生じる、管理の負担やコストの増加を解消する術とは。

» 2021年12月13日 11時55分 公開
[Naomi EideCIO Dive]

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 2021年はハイブリッドクラウド戦略に向けてクラウド関連の支出が増加した。ソフトウェア開発企業であるFlexeraの「Flexera 2021 State of Tech Spend Report」によると(注1)、企業はパブリッククラウドリソースへの投資を増やしており、IT支出のカテゴリーの中でSaaSに次ぐ2番目に高い増加を示している。

 クラウド投資の増加に伴い、企業はテクノロジーポートフォリオを拡充し、複数ベンダーのソリューションに投資しているが、その導入は無計画に実行されることが多い。Flexeraは「企業はベンダーとソリューションの組み合わせが効果的に機能するように、具体的なIT資産管理プロセスに頼る必要がある」と指摘する。

 マルチクラウド戦略では、特定のワークロードをサポートするために、採用するクラウドプロバイダーの数や組み合わせに関係なくベストオブブリードの構成でソリューションを活用し、柔軟性を念頭に置いてテクノロジースタックを刷新するのが重要だ。この際に「自社の資産がどこにあるのか」「どれだけの費用をかけているのか」を十分に把握できなければ管理負担やコストの増加といったリスクになる。

 本稿では、マルチクラウド戦略における導入ロードマップの作成で企業が考慮すべき4つのヒントを紹介しよう。

ヒント1 プライマリープロバイダーを選定する

 Gartnerのアナリストであるデビッド・スミス氏は「企業規模を問わず、マルチクラウド戦略は避けては通れないものになっている」と話す。企業はM&Aで複数のクラウドを獲得したり、特定の業種に最適なソリューションを探したりする。

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