白熱するステーブルコイン法の議論 消費者保護とテクノロジーの発展を守ることができるのか

ステーブルコインをめぐる議論が熱くなる中、2022年2月、米下院議員がステーブルコイン法案のディスカッションドラフトを公表した。連邦政府が新しいテクノロジーを恐怖心から規制することはあってはならない、と訴える。

» 2022年04月05日 14時30分 公開
[Jonathan BerrPayments Dive]
Payments Dive

 ニュージャージー州選出の民主党議員はジョシュ・ゴットハイマー氏は2022年2月15日、「2022年ステーブルコイン革新・保護法」(The Stablecoin Innovation and Protection Act of 2022)の「ディスカッションドラフト」を発表した。ステーブルコインをめぐる議論に参加した形だ。

 ニュースリリースによれば、この草案は「消費者と投資家のために適切な保護を行う」ことを念頭に、ステーブルコインを、不安定な他の暗号通貨から切り離すことを目的としている。この件について、ゴットハイマー氏の広報担当者はPayment Dive編集部のコメント要請に応じなかった。

草案発表を伝えるゴットハイマー氏の投稿(出典:ジョシュ・ゴットハイマー氏のWebサイト)

 ゴットハイマー氏の提案は、「適格な」ステーブルコインの定義として、「銀行などの保険付き預金取扱機関または銀行以外の適格なステーブルコイン発行者が発行する1対1ベースで米ドルと交換可能なデジタルマネー」であるとしている。ステーブルコインは通貨監督庁(OCC)の監督となり、連邦預金保険公社(FDIC)は償還金の支払いを管理するための適格ステーブルコイン保険基金を設立する予定だ。

 米国下院金融委員会の民主党委員であるゴットハイマー氏は、草案の発表を伝えるリリースの中で次のように述べている。

暗号通貨の拡大は、われわれの経済に非常に大きな潜在的価値をもたらす。しかし、暗号通貨が海外ではなく米国で成長し、繁栄するには、イノベーションを後押しして消費者を保護するために市場にさらなる方向性と確実性を提供する必要がある

 ゴットハイマー氏の法案には、暗号関連の幾つかの業界団体が賛同の声明を発表している。USD Coinの主要運営会社Circleもその一つだ。

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