Web3って本当に大丈夫? DeFi、NFT領域で違法行為が増加

ブロックチェーンによる取引情報は改ざんできないため、その技術を応用したサービスのセキュリティは強固なイメージがある。だが、実際には多くの違法行為が起きている。今狙われる領域はどこなのか、暗号資産に関する調査レポートを基に考える。

» 2022年06月02日 08時00分 公開
[関谷祥平ITmedia]

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 Web3でもたらされる新たなサービスは私たちの生活や社会の在り方を大きく変える可能性がある。ただ、新しいビジネスモデルには必ずと言っていいほど「悪意を持った参入者」も存在する。

 米ブロックチェーン分析企業Chainalysis(以下、チェイナリシス)は2022年5月12日(現地時間)、暗号資産に関する調査レポート「Web3における安全性とコンプライアンスの重要性を喚起する、盗難、マネーロンダリング、NFTの市場操作」を発表した。

 チェイナリシスは、70カ国以上の政府機関や暗号資産取引所、金融機関を中心にブロックチェーンデータを分析し提供している企業だ。

DeFiプロトコルがハッキングにおける格好のターゲットに

 調査レポートによると、2017〜2021年の期間で暗号資産取引関連の違法行為は暗号資産エコシステムの中であまり目立たない存在になった。

図1 違法取引が暗号資産取引全体に占める割合は減少傾向(出典:チェイナリシスの調査レポート)

 2020年以降は、暗号資産領域に代わり、「DeFi」(Decentralized Finance:分散型金融)領域で違法行為が増加している。DeFiとは、ブロックチェーンで構築される「スマートコントラクト」を用いて、管理主体を介さず無人で金融取引する仕組みだ。銀行のような管理主体がいないため、低コストの取引が可能になると期待される。

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