ブロックチェーンの社会実装が進み、それに伴う犯罪も増加している。ブロックチェーン領域での犯罪を抑えるには、増加し続けるトランザクションの追跡が必要だ。Chainalysisが発表した「Chainalysis Storyline」は企業や個人が安心してブロックチェーンサービスを利用できる社会を創造できるか。
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米国のブロックチェーン分析企業のChainalysis(以下、チェイナリシス)は2022年6月24日(日本時間)、同社が主催するイベント「Chainalysis LINKS Tokyo 2022」において、ブロックチェーン領域が直面する課題に社会はどう取り組むべきかを示した。
チェイナリシスのウリッセ・デルオルト氏(マネージングディレクター)は「米国におけるブロックチェーンの導入スピードは、1993年以降のインターネットの導入スピードと似ている」と話す。
「従来、企業にとってブロックチェーンの導入には技術的なハードルがあった。しかし今後は現代のインターネットのように『使って当然』の存在になり、企業は導入を避けられなくなるだろう」(同氏)
ただし同氏は、「ブロックチェーンの社会実装は今後も世界的に進むが、犯罪が増加すればそのスピードは鈍化する」と警鐘を鳴らす。
暗号資産に関連する犯罪の約半分が、ブロックチェーン関連領域の中で最も急成長している分野の1つであるDeFi(分散型金融)とNFT、あるいはこれらに関連するスマートコントラクトで起きている。分散型であるがゆえに、DeFiプラットフォームやNFTプラットフォームではトランザクションの増加に伴い暗号資産の移動を追跡するのが困難になるため、犯罪者のターゲットになりやすい。デルオルト氏によれば、暗号資産を狙うのは多くは北朝鮮政府に関係するハッカーグループだ。
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