日本企業のIT環境に使われるクラウドの「現在地」はどこか。クラウドはDXでどんな役割を担うのか。クラウドサービスで先行するAWSジャパンの長崎忠雄社長に聞いてみた。
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クラウドコンピューティング(以下、クラウド)が日本で話題に上るようになって10数年たつ。2008年4月にスタートし、今回で713回目を数える本連載「Weekly Memo」が最も取り上げてきたのがクラウドに関する動きだ。ここ数年はDX(デジタルトランスフォーメーション)を話題にすることが多いが、クラウドはDXの必須テクノロジーと目されている。
クラウドは実際のところ、日本企業にどれくらい使われているのか。課題は何か。そうした「現在地」とともに、クラウドはなぜDXの必須テクノロジーなのかを探りたい。
クラウドサービスで先行するアマゾン ウェブ サービス ジャパン(以下、AWSジャパン)社長の長崎忠雄氏にインタビューする機会を得たので、クラウドサービス市場をリードするAmazon Web Services(AWS)はどんな存在になるのか、5年後、クラウドは日本企業のIT環境にどれくらい浸透しているのかといった質問をぶつけてみた。以下、一問一答形式(敬称略)でお届けする。
――日本企業のIT環境におけるクラウド移行の進み具合をどう見ているか。
長崎: 着実に進みつつある。特にここ数年、事業変革に向けたDXの必要性が叫ばれるようになり、強い危機感を持って取り組むお客さまが増えたと実感している。ただし、さまざまな調査結果を見ると、日本企業のワークロードでクラウドに移行したのはまだ1割前後だ。この数字は欧米だけでなくアジア地域と比べてもかなり差があり、移行スピードの遅さに強い危機感を抱いている。
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