「予算の根拠を誰も覚えていない」はなぜ起こるのか 変化に対応する「xP&A」の実現方法(1/3 ページ)

「この予算の根拠は何だったか」は、計画が確定した段階で消失しやすい情報の一つだ。だが、状況の変化に対応するには計画業務のシステム化と根拠の可視化が必要だ。財務特化の「FP&A」からあらゆるデータを巻き込んだ将来計画「xP&A」を実現する方法を聞く。

» 2022年08月17日 14時00分 公開
[谷川耕一ITmedia]

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 紛争やパンデミックを経てグローバルサプライチェーンのリスクを目の当たりにし、今まさに対応体制の見直しを余儀なくされている組織は多いことだろう。過去の延長線で将来を予測し切れない状況において、判断の確度を上げるには、多様なデータソースを将来計画にどう生かすかがカギを握る。

 2022年7月13〜15日にSAPが開催した年次イベント「SAP Sapphire Tokyo」は、同社最新ソリューションが一堂に会すイベントだ。今年は環境情報を含むサプライチェーンマネジメントの高度化の話題も多く扱われた。

 「データドリブン経営を実現させるxP&Aソリューション」と題したセッションにおいては、SAPジャパン ソリューション事業推進部 シニアビジネスデベロップメントの高橋正樹氏が、「企業のかじ取りに重要なデータの質をいかに確保し、データの加工や調整などの無駄を極力省き、判断に必要な洞察を効率的に導き出すか」について解説した。SAPが提供する計画ツールはデータドリブン経営の課題をどう解決するだろうか。

SAPジャパン ソリューション事業推進部 シニアビジネスデベロップメントの高橋正樹氏

「未来のデータ」はなぜシステム化されないか

 「現在は予測困難なハイパーチェンジの世界」と高橋氏は企業を取り巻く環境を表現する。突然、従来想定しなかったような出来事が起こり、その都度、ビジネスの手法を変えなければならない。

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