Midjourneyとユーザーコミュニティに見る人間とAIの関係編集部コラム

画像生成AIのブームから、AIと人の関係を考えてみました。

» 2022年08月14日 08時00分 公開
[荒 民雄ITmedia]

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 AI(人工知能)による画像生成サービス「Midjourney」が話題です。Yahoo! JAPANの「リアルタイム検索」で確認すると、2022年7月上旬には日本語ネイティブのTwitterユーザーも「Midjourney」を含むツイートを発信しており、利用し始めていたことが分かります。そこから1カ月ほどは1日当たり数百件程度のツイート数で推移していましたが、7月末ごろから徐々に言及する方が増え、2022年8月3日頃に1日当たり8000件超と、爆発的な伸びを見せました。

 Midjourneyはコミュニケーションアプリ「discord」のbotとして呼び出して利用する画像生成AIです。英語の単語や文章を含むコマンド(プロンプト)を指定すると、それに即した画像を自動生成する仕組みです。まだβ版ですが本稿執筆時点で94万人ほどのメンバーが参加しています。

 Midjourneyが生成した画像はWebサイトでも確認できます(ログインにはdiscordのアカウントが必要)。自分が作成したものの他、Midjourneyサーバのコミュニティーメンバーが生成した画像も閲覧でき、「プロンプト」と呼ぶAI bot向けの指示テキストの内容を確認できます。また。Midjourney botはMidjourneyサーバのコミュニティーだけでなく、任意のdiscordサーバに追加することも可能とされています。

Midjourneyで生成された画像。それぞれの画像がどのようなテキストを基に生成したかが分かるようになっている(出典:MidjourneyのWebページ)

 サイトの説明によると、画像生成を指示する「/imagine」コマンドは「約25回」まで無料で利用できます。「約」とあるのは、回数制限ではなくジョブのGPU使用時間による制限を設けているため、投げ込まれるコマンドの負荷によって回数が変動する仕組みだからのようです。

David Holz氏(画像はYouTubeチャネル「SFHTML5」掲載のイベント登壇映像「Leap Motion and WebVR with David Holz」より)

 このMidjourneyの開発元は「新しい思考メディアを探求し、人類の想像力を拡大する独立したラボ」とされています。ラボのエグゼクティブにはLeap MotionのCTOだったDavid Holz氏の名前があります。エンジニアリングメンバーは8人、他に法務、財務担当者が1人ずつの合計11人で運営されています。アドバイザーにはシリコンチップ開発で著名なJim Keller氏(DEC AlphaやAMD Athlon、Apple A4、A5チップの開発に関わり、のちにTeslaでHW3を開発、IntelのSoC開発も指揮を執った人物)やGitHubのCEOでGNOME FoundationのChairmanでもあるNat Friedman氏など、そうそうたる顔ぶれです。

※本稿は2022年8月9日配信のメールマガジンに掲載したコラムの転載です。購読はこちら


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