FinOpsの方程式に即して考えるクラウドコスト最適化と運用体制のヒントFinOpsの基本と実践(3)(1/3 ページ)

「クラウドのコスト増加をどうにか抑えられないだろうか」――。そんな悩みを解決するのがFinOpsです。FinOpsの基本を踏まえた上で、コスト削減には具体的にどのような方法があるのでしょうか。連載第3回となる今回は、「FinOpsの実践」について解説します。

» 2022年08月22日 08時00分 公開
[小原 誠ネットアップ]

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 欧米を中心に広まりつつあるクラウドのコスト最適化の考え方、「FinOps」についてご紹介する本連載。連載第1回はFinOpsが注目される背景について解説し、連載第2回(前回)はFinOpsの基本について紹介しました。

 前回紹介したように、FinOpsは「Inform」(可視化)、「Optimize」(最適化)、「Operate」(実行)の3つのフェーズを繰り返す活動です(図1)。 

図1 FinOpsの3つのフェーズ(FinOps Foundationの公開情報を参考に筆者作成)

 Informフェーズで実施したコスト割り当ての結果を基に、Optimizeフェーズでは「このようにすればコストを最適化(削減)できるのではないか」という打ち手の案を考え、Operateフェーズでその案を評価・判断して実行します。

 では、「クラウドのコストを最適化する」ための具体的な打ち手とはどのようなものでしょうか。

この連載について

 本連載は欧米を中心に広がる「FinOps」というクラウドコストを最適化するための考え方や、実践方法を解説していきます。守りのクラウド採用ではなく、攻めのクラウド採用を考えるとき、企業にとってコストの適正化は避けられない問題です。世界のリーダー達が取り組むFinOpsとは企業をどのようにサポートするのかを解説していきます。

筆者紹介:小原 誠(ネットアップ シニアソリューションアーキテクト)

国内メーカーにおけるストレージ要素技術の研究開発に始まり、外資系コンサルティングファームにおけるITインフラ戦略立案からトランスフォーメーション(要件定義、設計構築、運用改善、PMO等)まで、計20年以上従事。ネットアップにおいてはソリューションアーキテクトとして、特にCloudOps、FinOps領域を中心に、ソリューション開発やマーケティング活動、導入支援等に従事。FinOps 認定プラクティショナー(FOCP)。



クラウドコスト最適化の方程式

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