Googleは宅配業界でも“巨人”になれるか? 「次の戦略」を支える2つのソリューションTranspot Dive

宅配便の増加に伴い、効率の良い配送ルート計画と実行が重要になってきた。最終拠点から顧客に商品を届けるまでの「ラストマイル配送」は非効率的でコストがかかるが、サプライチェーンにとって重要箇所だ。Googleはラストマイル配送にマッププラットフォームを活用する。

» 2022年08月22日 09時00分 公開
[Max GarlandTransport Dive]
Transport Dive

 Googleは2022年3月、宅配業界への参入を表明した。同社が宅配業界参入と同時に発表したのがラストマイルサービスとルート計画に特化した「Last Mile Fleet Solution」と「Cloud Fleet Routing API」の2つのツールだ。

豊富な地図データを持つGoogle 

 Googleの車両管理技術への進出は、物流プラットフォームを提供するLoadsmartのジム・ニコルソン氏(オペレーション担当シニアバイスプレジデントSVP)にとって驚くべきことではない。同氏は、Amazonの物流分野への参入と比較して「大きな野心を抱えるGoogleの次のステップとして自然だ」と述べた。豊富な資金力と長年にわたる「Googleマップ」の改良が同社の物流分野への進出を後押しした。

 「地図プラットフォームを持つことは、競合他社に対する大きなチャンスとアドバンテージになる」(ニコルソン氏)

 Googleは、宅配需要の高まりで注目を集める(ラストマイル)分野に豊富な地図データと使い慣れたナビゲーションインタフェースを持ち込んだ。世界13カ国を対象に、企業間、企業対個人、消費者間、消費者委託の小包の量と費用を測定する調査会社Pitney Bowes Parcel Shipping Indexによれば、米国の小包の量はCOVID-19によるパンデミックが発生する前の2019年における155億個から2021年には215億個に増加した。

 荷物の増加を受けて、より効率の良いルート計画と実行の重要性が高まっている。ラストマイル配送は配送プロセスの中で最もコストが掛かり、最も効率が悪い。

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