キンドリルがシステム運用基盤を発表 運用者を「管理画面張り付き」にしない仕組み

キンドリルが新しいシステム運用基盤を発表した。運用に人材を貼り付けないための工夫が盛り込まれている。既存のIT資産を生かすアプローチをとる。

» 2022年09月22日 08時00分 公開
[山口哲弘ITmedia]

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 キンドリルは2022年9月20日(米国時間)、新しいオープンな統合プラットフォーム「Kyndryl Bridge」を発表した。as a service型で提供する。IT資産のインサイトをリアルタイムで把握できるとしている。

 キンドリルはKyndryl Bridgeを、同社の中核技術を活用して開発したとしており、企業が蓄積した専門知識や運用データのパターンなどのIT資産を集約して、AI(人工知能)を活用した分析を実施し、ビジネス目標達成にむけた改善に役立つ洞察を導き出す。

システムレジリエンシ―向上やメインフレームのモダナイズにも生かす

 既に利用する各種運用ツール類と相互運用が可能なため、既存の環境や設定を生かしたままKyndryl Bridgeを利用できる。Kyndryl Bridgeの自動化とAIを活用した管理用ツールによって、システムのダウンタイムを回避したり、将来のニーズやコストの予測を向上させるリアルタイムの洞察が得られたりするという。

 キンドリルの会長兼最高経営責任者を務めるMartin Schroeter氏は、「複雑性への対応は当社の得意とするところで、顧客が最も必要としている点でもある。Kyndryl Bridgeは、ミッションクリティカルなインフラの稼働とDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する」と述べている。

 キンドリルによると、モダナイゼーションの取り組みは今日のビジネスの最優先課題であり、世界のCIO(Chief Information Officer)の60%が2022年の最も重要な成長要因に挙げているという。

 ところが同社は、ビジネスや技術の複雑性と、重要なITスキルの不足によって、ほとんどの企業でこの取り組みが遅れていると指摘する。Kyndryl Bridgeは、企業の複雑な管理やプロセスツールを統合し、企業のサーバ1台当たりのインシデント数を月平均で74%削減させるという。

 キンドリルの最高技術責任者を務めるAntoine Shagoury氏は、「企業のITリーダーがITシステムの管理に集中しなくて済むようにすることで、IT人材をより価値の高い仕事へ振り向けながら、デジタルビジネス戦略の構築やサポートを行えるようになる。重要なツールへのアクセスとコントロールを強化し、クラウドやデータ&AI、セキュリティ&レジリエンシー、メインフレームのモダナイゼーションなどに当社の専門知識を提供する」と述べている。

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