商船三井がSAP S/4HANA Cloudを導入 採用の決め手は?

商船三井はクラウドERP「SAP S/4HANA Cloud」を導入し、財務、経理業務で活用する。システム導入に当たっては、Fit to Standard手法を活用した。さまざまなシステムのうち、同社がSAP S/4HANA Cloudを採用した理由とは。

» 2022年11月08日 07時00分 公開
[山口哲弘ITmedia]

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 SAPジャパンは2022年11月4日、同社のクラウドERP「SAP S/4HANA Cloud」を商船三井が採用したと発表した。商船三井は財務、経理業務で同システムを活用する。新システムは、同年4月4日に本稼働を開始した。

「SAP S/4HANA Cloud」採用の決め手は?

 商船三井は、同社の2022年度の経営計画「Rolling Plan 2022」で、DX(デジタルトランスフォーメーション)を事業戦略や組織力向上、働き方改革を支える基盤的取り組みと位置付けている。

 SAP S/4HANA Cloudは海運業界の会計分野でグローバルでも多く採用されている。このことが導入の決め手となった。基幹システムをシンプルで拡張性のあるSAPのクラウドERPで構築したことで業務標準化とより価値の高い業務へのシフトを実現した。同社は「今後の社会変化に対して柔軟かつスピーディーな対応が可能となった」としている。

 システム導入に当たっては、Fit to Standard手法を用いた。標準機能に業務をフィットさせるアプローチだ。アドオンを極小化することで業務プロセスの簡素化とシステムの柔軟化を両立させた。本稼働後も安定して稼働しているという。

 なお、商船三井のグループ会社である商船三井ドライバルクもSAP S/4HANA Cloudの採用を決め、商船三井と同時に本稼働を開始した。

 商船三井と商船三井ドライバルクは、今回刷新したSAP S/4HANA Cloudを含む基幹システムをDX推進の基盤とする。両社が蓄積した船舶や運航に関するデータの相互活用によって、GHG(温室効果ガス)排出量削減などの社会課題や経営課題の解決にデジタル技術を取り入れる。同社は今回実施した業務の標準化をさらに推進し、業務構造改革も進める。

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