みんなの銀行がフルクラウド型銀行システムを提供 日本だけにとどまらないサービスの目的は

みんなの銀行が新たなサービス提供を発表した。日本企業はもちろん、世界での拡大を視野に取り組んでいくようだ。

» 2022年11月14日 10時15分 公開
[関谷祥平ITmedia]

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 ふくおかフィナンシャルグループ傘下のみんなの銀行は2022年11月8日、同社の基幹システムを開発するゼロバンク・デザインファクトリーがフルクラウド型銀行システムの外部提供を開始すると発表した。

図1 フルクラウド型銀行システムの構造(出典:みんなの銀行のWebページ)

サービスは日本だけに向けたものではない? みんなの銀行が注目する場所は

 このサービス提供は、国内外の金融機関および新たに銀行サービスの導入を目指す非金融事業者に向けたもので、みんなの銀行は同システムの提供を通じて国内外の金融業界におけるデジタル変革を推進して、同社のミッションである「みんなに価値あるつながりを」の実現を目指す。

 同システムはみんなの銀行向けに開発したものがベースにあり、金融機関や非金融事業者は、銀行システムをゼロから短期間でクラウド上に構築することが可能だ。操作性に優れたユーザーインタフェースや口座開設、預金、為替取引、ローンの借り入れなどをフリクションレスに実現する機能が提供される予定。また、出金や利息、手数料計算などの勘定処理、預金者の利用状況などをデータとして可視化する分析エンジンなどが組み込まれる。

 みんなの銀行の広報担当(以下、みんなの銀行広報)に行った電話インタビューによると、システムはGoogle Cloudで開発されており、スケーラビリティや耐障害性、柔軟性を支えるアーキテクチャになっているという。その上に構築しているアプリケーションは、マイクロサービスやAPIアーキテクチャで疎結合な設計となっており、柔軟に機能開発を行うことが可能だ。

 「他のクラウドベンダーと比較しても、Google Cloudは金融分野におけるサービスが充実していた」

 同サービスは日本国内はもちろん、銀行インフラに成長余地がある海外での利用拡大を視野に入れてるようだ。みんなの銀行広報は今後のサービス利用拡大に向けて、「みんなの銀行はFinTech企業として、日本国内の他のインターネットバンキングサービスとは質が違う。本サービスはアジアなどの各国で受け入れられるだろう」と話した。

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