メインフレームとクラウドネイティブ、どちらも詳しい“相談相手”は存在するか移行プランのベストプラクティスは

基幹システムのクラウドシフトは、設計が異なるITインフラ間の移行となるため運用面でも設計面でも困難が伴う上、現在のシステムとクラウドネイティブなシステムの両方に深い知見が必要だ。ここで自社の出自の強みを生かしたサービスを提案する企業が現れた。

» 2022年11月21日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
PR

 経済産業省が「DXレポート」で提唱した、システムの老朽化や複雑化がもたらす非効率が企業にリスクをもたらすとする「2025年の崖」を前に、いよいよミッションクリティカルシステムを含む基幹システムのクラウド移行が本格化する。

 「マルチクラウド」や「クラウドネイティブ」といった言葉がもてはやされるが、こと「止めることが許されないシステム」においては慎重な対応が必要だ。ミッションクリティカルシステムの運用で実績を積み上げたIBMのノウハウを基に、分社化以降、さまざまなハイパースケーラーと協業してオールラウンドで企業ITのモダナイズを支援しているKyndrylはクラウド移行支援、運用の実践で培ったノウハウをパッケージ化して本格展開する。上流の設計から運用支援まで、かゆい所に手が届くサービスメニューを提供する計画だ。

成功事例だけではないミッションクリティカルシステムのクラウド移行

 創立1周年を迎えたKyndrylは、ミッションクリティカルシステムの「Amazon Web Services」(AWS)移行支援を本格化している。IBMのインフラサービス事業から分社して2021年9月1月にサービス展開を開始したKyndrylは、さまざまなIT機器メーカーやAWSを筆頭にハイパースケーラーと呼ばれる大手クラウドベンダーと次々に連携している。

 IBM時代のグローバル規模の組織はそのままに、多様なプロダクトやサービスを取り扱う点を強みにオープンでマルチベンダー、マルチクラウド環境に対応したマネージドインフラサービスを拡充している。

 KyndrylとAWSは、2022年2月にグローバルレベルでリレーションシップを締結した。共同で「Cloud Center of Excellence」(CCoE)を設立してミッションクリティカルなインフラやメインフレーム、ネットワーク、エッジコンピューティングサービス、ERPなどのサービスを含む共同ソリューションの開発を発表した。

キンドリルの橋本氏 キンドリルの橋本氏

 kyndrylの日本法人であるキンドリルジャパン(以下、キンドリル)のストラテジックサービス本部 クラウドテクノロジーサービス事業部 事業部長の橋本寛人氏は、クラウド事業を強化する背景にはミッションクリティカルシステムを抱えるユーザーに寄り添った支援をしたいという考えがあると語る。

 「ただクラウド移行の潮流に乗ればいいというわけではありません。注意したいのは、クラウドは変化が激しく、移行したシステムが変化に追随できなければ運用負荷が上がってしまうことです。クラウドのメリットか生かせないばかりか、システムの運用コストがかさみ、身動きが取れなくなるというリスクもあります」

 実際、同社が支援する顧客にも、クラウド移行によって課題が顕在化するケースが目立つという。同社 ストラテジックデリバリー本部 第二クラウドディベロップメント 森谷徳郎氏はこう説明する。

 「クラウド移行計画は、中核システムの周辺から着手する手法が一般的です。しかし、周辺の移行がうまくいっても、オンプレミスに残るシステムとの接続や連携が課題になります。ハイブリッドクラウドを構成する場合は既存のアーキテクチャや運用体制の見直しが必須ですが、うまくいかずに問題化するケースが見られます」

ミッションクリティカル、クラウドネイティブ両方の知見と経験を持つ存在として

 クラウド移行の難しさは、ミッションクリティカルシステムにおいてさらに複雑になる。既存システムに屋上屋を架すようなクラウド移行は、システム運用のコスト管理だけでなくセキュリティ対策、各種ガイドラインやポリシーの変更、コンプライアンスやガバナンスの変更が経営に大きなインパクトを与えかねない。実際、グローバル企業の中には、クラウド移行したものの期待した成果が出ず、オンプレミス環境に回帰する動きも出ている。

 「2025年の崖」と呼ばれるように、メインフレームを中心としてミッションクリティカルシステムのモダナイズが急務とされている。そんな中、どのようにクラウド移行を進めればよいのか。

 ポイントになるのが、ミッションクリティカルシステムについての知見と経験、グローバルレベルでの事例の蓄積、クラウドネイティブ技術に関する深い理解や豊富な実践経験だ。橋本氏はこう話す。

 「Kyndrylの強みの一つは、IBM時代から培ってきたミッションクリティカルシステムの知識と、ハイパースケーラーとの協業によるクラウドネイティブな環境への対応にあります。長年のサービス提供の実績を生かしながら、日々進化する技術に追随できます。キンドリルは6つのグローバルプラクティス(実践技術部門)で構成されています。サービス提供においても、これらを統合してマネージドサービスやアドバイザリーサービス、インプリメンテーションまでを包括的に提供します」

キンドリルの森谷氏 キンドリルの森谷氏

 クラウド移行のアセスメントやクラウド投資の経済性をどう評価するかといった問題は、知見と経験がものをいう。この点、KyndrylはIBM時代からミッションクリティカルシステムの構築や運用をグローバルで多数実施してきた。

 「Kyndrylの強みはこれらの知見に加え、ハイブリッド/マルチクラウドの管理や各種ガイドラインおよびポリシーの策定、人材育成のためのCCoE構築支援まで包括的に支援できる点にあります」(森谷氏)

ケース代行起票からバックアップ管理、ネットワーク管理までの運用を支援

 キンドリルは、計画・設計から運用に至る企業のAWS利用のプロセスを支える「AWSクラウド支援サービス」を提供している。

 2022年2月に発表したAWSとの連携では、「AWS CCoE」を設立することで世界中のKyndrylのサービス担当者がAWSの可用性や信頼性、セキュリティ対策を活用してクラウド移行作業を最適化できるようにした。

 キンドリルは同年3月にAWSクラウド支援サービスの第1弾として「ブロンズサービス」の提供を開始した。AWSの技術サポート問い合わせに必要な「ケース」の起票代行、AWSやITインフラに関するKyndrylの豊富な知見を蓄積したナレッジベースを日本語で利用できるサービスだ。

 「ナレッジベースにはIBM時代から培ってきたミッションクリティカルなITインフラの設計、構築、管理とそのモダナイズの経験に加え、ハイブリッドクラウド/マルチクラウド移行支援を通して得たクラウドの知見が含まれています。回答スピードやサポート品質を高め、ハイブリッド/マルチクラウドへのスムーズな移行とその後の運用を支援します」(橋本氏)

 2022年6月には、AWSとの連携強化の第2弾として支援サービス内容を拡充した「シルバーサービス」の提供を開始した。シルバーサービスは、ブロンズサービスの内容に加えてAWSマネジメントコンソールを利用するサービスリソースの作成や起動、停止およびバックアップの取得、ネットワークの設定変更などの運用支援サービスを提供する。

 「キンドリルは、IBM時代を含めて企業のハイブリッド/マルチクラウド環境の構築から運営までを長く支援してきました。社内には豊富な知見やスキルに基づいて作成した『運用作業支援メニュー』があります。これをお客さまに提供することで、お客さまの運用作業負荷の低減やクラウド運用の効率化、システム品質の高度化を支援します」(森谷氏)

 クラウド環境を運用、管理するには経験やスキルが欠かせない。クラウド移行とともにシステムも複雑化しやすくなっており、オペレーションの属人化も課題になっている。シルバーサービスによって、運用の作業手順を統一し、運用の効率化や品質向上を図れる。

顧客に伴走してシステムのモダナイズを支援 「社会成長の生命線」を目指す

 キンドリルは、定型的な日常業務をサービスとして提供しつつ、企業固有の問題にも対応する「ゴールドサービス」の提供も計画している。ゴールドサービスはシルバーサービスの内容に加えて、専門エンジニアやコンサルタントがシステム全体のアーキテクチャ設計から特定のテクノロジー導入、CCoE組織の立ち上げや高度な運用までを企業により寄り添って支援する内容になる見込みだ。

クラウド支援サービス AWS版(出典:キンドリルの提供資料) クラウド支援サービス AWS版(出典:キンドリルの提供資料)

 「シルバーサービスでAWSの運用を効率化したお客さまであっても、新たに統合運用監視に課題をお持ちであればゴールドサービスでアセスメントを実施します。マルチクラウド運用支援サービスなど、さまざまな選択肢から解決策を提案します」(橋本氏)

 ミッションクリティカルシステムのクラウド移行においては、先行して移行する周辺システムが課題になることが多い。複雑に連携するシステムの一部を切り出して移行することでネットワークやアプリケーションの対応、運用体制が問題になるケースもある。

 「ミッションクリティカルシステムのクラウド移行は、中核システムの段階的な移行を踏まえて長期的な戦略が求められます。一方で、移行したシステムの監視やログ管理、セキュリティなど、運用負荷を常に軽減する仕組みや技術も必要です。キンドリルは、ブロンズサービスからゴールドサービスまでのAWSクラウド支援サービスによってお客さまに伴走して、AWS環境の使い方からAWSマネジメントコンソールを利用した運用作業支援まで、システムのモダナイズを一貫して支援する体制が整っている点が強みです」(森谷氏)

 もちろん、マネージドインフラサービスの提供者であるキンドリルは、システムのモダナイズの先にあるクラウドネイティブなサービスの活用や業務および組織のDX(デジタルトランスフォーメーション)までサポートすることも可能だ。同社は、やりたいことが実現できるIT基盤の提供を通して、顧客と共に「社会成長の生命線になる」というミッションを追求していく構えだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:キンドリルジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2022年12月19日