レイオフの中でも求められ続けるIT人材は?CIO Dive

2022年は景気悪化もあり米国企業ではレイオフが頻発した。多くの労働者が解雇されたが、そんな中でも技術職の需要は高まっており、失業率は低下している。2023年もDXに注力する企業は多く、エンジニアの争奪戦が続きそうだ。

» 2023年01月25日 08時00分 公開
[Roberto TorresCIO Dive]

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CIO Dive

 IT業界団体「CompTIA」が実施した米国労働統計局のデータ分析によれば(注1)、2022年11月に技術職の雇用は13万7千人も増えており、景気停滞への懸念があるにもかかわらず需要は依然として高いことが明らかになった(注1)。

需要の高いIT職種は?

 2022年11月の全体の失業率は同年10月と同じ3.7%だったが、技術職の失業率は2.2%から2%に低下した。

 CompTIAのティム・ハーバート最高研究責任者は、「この数字は経済の健全性に対する懸念を払拭するほどではありませんが、雇用が拡大したことはテクノロジー分野の労働者にとって喜ばしい兆候でしょう」と述べる。

 ジョブレポートから読み取れる月ごとの動向は、技術系労働者の全体像の把握に役立つ。

 2022年10月はレイオフや雇用凍結の影響もあり、技術職の雇用が11万6千人減少した。これを考慮すると、同年11月の雇用統計でも「技術系職種の失業が増加するのでは」と考えられた。一方、11月にはその傾向は逆転した。実際には技術職の失業率は低下し、米国企業の技術系職種の人材が増加していることを示した。

 しかし、明るい兆しだけではない。11月の技術系新規採用の求人票は前月の31万7千件から27万件に減少した。

 CompTIAによれば、企業は特にソフトウェア開発者とエンジニアの採用に積極的で、ITサポートスペシャリストやシステムエンジニア、ITプロジェクトマネジャー、ネットワークエンジニアも同様に需要が大きい。

 多くの企業は、2023年に技術開発プロジェクトの勢いを緩めるつもりはないようだ。経営コンサルティングファームBCG Xの調査によると(注2)、経営者のうち5人に3人は「2023年のDX(デジタルトランスフォーメーション)関連の投資額を増やす予定」と答えたという。

 こうした取り組みを実行するためには必要な人材を確保する必要があり、CIO(最高情報責任者)にとって最大の懸念点だ(注3)。

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