調達プロセスを改革、機密情報を含むデータをクラウドで分析可能に――NTTデータ

NTTデータが調達プロセスの改革を進める。調達に関わるさまざまな形式のデータを分析して適正価格の判断を即時に合理的に判断できる仕組みを整備した。

» 2023年02月03日 07時00分 公開
[山口哲弘ITmedia]

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 NTTデータは、自社取り扱い製品の調達プロセスの改革を進める。

 調達の都度発生する適正価格の判断などを全社共通のデータ基盤から確認できる容認する。基盤にパブリッククラウドの「Amazon Web Services」(AWS)を使いつつ、機密性の高い情報の保護には独自の仕組みを用意した。

多様な形式の調達関連資料を一元化、どう仕組みを作ったか

 NTTデータは、調達価格を公正に設定するために、最適な調達価格を判断する仕組みを全社的に導入している。しかし、これまでは製品選定や見積もり取得、購買発注などの購買オペレーションに非効率な時間を費やしてきた。

そこで同社は各事業部門にリアルタイムで購買に関する知見を提供するシステムを構築した。知見の集約にはQlikと協業して「Qlik Sense」を導入。社外から調達するIT製品/サービスに関する機密性の高い調達データを分析し、能動的にインサイトを引き出せるようにした。

 Qlik SenceはQlikが「次世代型BI」と呼ぶデータ分析プラットフォームで、セルフサービスBIを実現する他、データの関連性を発見して次のアクションを示唆するデータ探索などの機能を持つ。

 機密情報の取り扱いについては、NTTデータのセキュリティサービス基盤「A-gate」を利用した。A-gate上にQlik Senseを実装し、複数の形式で保管されているデータの収集や加工、分析を自動化した。

 A-gateは、パブリッククラウドであるAWSにおいて、より安全にデータを分析したいという金融機関や事業法人、公共機関のニーズに応えるためにNTTデータが開発したプラットフォームだ。NTTデータは今回、これを利用して社内でのデータ活用の幅を広げた。Qlikの分析機能を活用することで、各チームがデータを相互比較し、より多くの情報に基づいて意思を決定できるようになり、運用コストも削減できたとしている。

 NTTデータでプロキュアメント部の課長を務める岡田百世氏は「近年のAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)といった技術の劇的な進歩に伴い、顧客提供価値の向上や競争優位性獲得のため、当社でのデータ活用の重要性は日々高まっている。自社保有の調達データに着目し、Qlikを使ってこのデータから価値を得ることで、適切なデータを適切な人に提供し、データドリブンな意思決定を可能とし、ビジネス全体のイノベーションを加速可能にした」と述べている。

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