企業内に分散するデータの統合、活用やAIでの利用支援でNECとIBMが協業分散サーバのデータ活用に向けて

IBMのSDSをNECのサーバ、ストレージ製品群と組み合わせて、オンプレミス/クラウドに分散するデータを仮想統合し、企業のデータ活用やAI活用につなげる。

» 2023年07月10日 12時59分 公開
[原田美穂ITmedia]

 日本IBMがNECとのストレージ領域での協業を拡大する。IBMは2023年7月10日、NECのサーバおよびストレージ製品群とIBMのストレージソリューション「IBM Storage Scale」を組み合わせ、さまざまなオンプレミスやクラウドに分散して格納されているデータを活用しやすい環境を提供することを発表した。数テラバイトのエントリーモデルから、NECによる導入支援サービスを含む大規模な導入までをカバーする。

オンプレミス、クラウドで分散するデータをストレージ層で仮想統合

  IBM Storage Scaleはもともと「IBM Spectrum Scale」として提供されてきたスケールアウト型のストレージ製品だ。データベースやファイルサーバ、データレイク、クラウドに置かれたオブジェクトなど、企業が抱えるデータの格納先は多様であり、それぞれブロックストレージやファイルストレージ、オブジェクトストレージといった異なる性質のストレージに格納されており、それぞれのストレージインタフェースからアクセスする必要がある。IBM Storage Scaleはこれらのストレージを仮想的に統合し、さまざまなストレージシステムへのデータアクセスを効率化するソフトウェア定義型ストレージ(SDS)ソリューションだ。

 今回の協業強化によりNECはサーバ製品群「Express5800」シリーズと「iStorage」をIBM Storage Scaleと連携させた分散データ活用ソリューションを提供し、サーバー、ストレージ、ソフトウェアをシンプルに構成してさまざまな企業のDX推進とAIやデータ活用を支援するとしている。

 NECでは、すでにIBM Storage Scaleのデータの保存場所を意識せずに必要な時に必要なデータへのアクセスを可能にする「拠点間データ連携機能」(AFM)やデータの導入および管理コストを低減する「データ階層化機能」(ILM)を検証しており、その効果を確認したとしている。

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