リストバンドでストレス改善? バイタルデータをフル活用する「健康経営支援サービス」が開始

NTTPCはリストバンド型のバイタルセンサーにより職場環境の改善と活性化を図る「健康経営支援サービス」を開始する。バイタルデータはどのように活用されるのか。

» 2023年10月06日 07時00分 公開
[大島広嵩ITmedia]

 NTTPCコミュニケーションズ(以下、NTTPC)は2023年10月5日、職場環境の改善と活性化を図る「健康経営支援サービス」を同年10月10日に開始すると発表した。

 テレワークの普及によるメンタル不調者の増加や、従業員エンゲージメントの低下を把握できないことによる職場の活性度の低下、仕事の生産性の低下、離職者の増加などを防ぐことを目的としている。

セルフケアと企業のケア 2つのアプローチで組織を改善

 同サービスでは、業員がリストバンド型のバイタルセンサーを着用することで、従業員によるセルフケアを可能にする。また、組織単位での活動状況の把握により職場環境の改善と活性化を図る。サービスの詳細は以下になる。

年内には指輪型など着装感の少ないバイタルセンサーを提供予定(出典:NTTPCのプレスリリース)

メンタル不調の恐れや活性状況を早期に把握

  • 組織単位でバイタルデータを集計し、当該組織の「リスク度」や「活性度」の変化、傾向を把握
  • 把握された指標を基に課題のある組織や環境を特定
  • 本人が希望する場合、個人のバイタルデータ分析結果を基に各組織から個別に支援可能

従業員が自身の心身の状態や変化、違いを把握

  • 無自覚だった体調や疲れの傾向に気付くことで最適なペースで働くことが可能
  • 過去のバイタルデータの分析結果から、自身に適した時間や場所、仕事の内容が分かり、自分らしく働くためのヒントを得られる
  • 従業員のプライバシーに配慮し、組織や上長には個人のバイタルデータ分析結果は開示されない

NTTPCの独自技術によるバイタルデータ分析を実装

  • 4つの心的ストレス状態である、「ワークエンゲージメント」(集中状態)、「ストレスフル」(疲労・不安)、「リラックス」(安定・寛容)、「バーンアウト」(燃え尽き)を算出し、心身の状態を指標化
  • 個人単位で「いつもの状態」を算定し、その違いを算出
  • 個人の心的状態を集めて、組織ごとの状態を数値化

 NTTPCの従業員291人に2カ月間の実証実験を実施したところ、対策を講じた部門においてリスク度が24ポイント改善し、仕事のやる気などの活性度が23ポイント向上した。対策を講じていない部門では、リスク度が7ポイント、活性度3がポイント向上した。

 NTTPCは、接客業などのストレス度の高い職種や取引先に常駐する従業員の多い企業、テレワーク中心の企業など、従業員の健康状態の把握に不安を感じている企業における健康経営の増進に寄与するとした。

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