ハイパースケーラーは負荷の大きな生成AIのワークロードに備えるために、新しいインフラを構築したり、システムを改修したりしているという。
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調査会社Synergy Research Groupの予測によると、ハイパースケーラーのデータセンターの増築とアップグレードによって、クラウドコンピューティングとストレージの容量は今後6年間でほぼ3倍になるという。同社は、世界のクラウドおよびインターネットサービス企業19社のデータセンターの設置面積と運用状況を分析した。
容量はすでに着実に増加するペースにあったが、2023年10月17日(現地時間)に発表されたレポートによると、負荷の大きい生成AI(人工知能)のワークロードの急増が予想されるため、クラウド事業者は拡張を促進させているという。
Synergy Research Groupのチーフアナリストであるジョン・ディンズデール氏はレポートの中で、「生成AIの技術やサービスによって、今後の展開計画に幾つかの変化が見られる。こうした変化は、新たに立ち上げられるデータセンターの数によるものではなく、GPUがますます大量に導入されるにつれて増える、施設の容量と電力密度に関係している」と述べる。
モダナイゼーションを推進する企業がクラウドベースのサービスの利用を拡大する中、ベンダーは需要の伸びに追随することを目指している。
Synergy Research Groupが分析したハイパースケーラーは、2023年半ばに世界で926の主要データセンターを運営しており、さらに427の施設の開設を計画中だ。この数は過去5年間で倍増している。
Oracleは2023年、新たに6つのデータセンターに着工し、全世界で64のアクティブなクラウド地域のポートフォリオを追加したと、サフラ・カッツCEOは2023年9月の四半期決算説明会で述べた。同社はまた、「Microsoft Azure」のデータセンターにデータベースハードウェアを設置する契約をMicrosoftと結んだ。
データセンター連合の委託を受けたコンサルティングファームのPwCの最新レポートによると、米国のデータセンター業界の雇用数は2017年から2021年にかけて17%増加した。
同社によるとクラウドやデータ集約型アプリケーション、デジタル技術の普及が業界の急激な成長を促したという。また、新たなテクノロジーも勢いを増している。
より大容量のサーバ技術を必要とする生成AIのワークロードの増加が予想され、3大ハイパースケーラー間の市場シェア獲得競争が激化している。AWSやMicrosoft、Google Cloudはいずれも、顧客のAIコンピュートにおけるニーズを満たすためにインフラをアップグレードすると表明している。
GPUやTPU(Tensor Processing Unit:Googleが開発した機械学習に特化した集積回路)、その他のAIに最適化されたキャパシティーを追加することは、必ずしも新たなスペースを必要とするわけではないが、より多くのエネルギーを消費するとSynergy Research Groupは述べている。
強力なコンピュートほどコストが高くなり、2024年の企業向けクラウドの販売価格に反映される可能性がある。
Gartnerは、ITリーダーはエネルギーを意識したオペレーションを優先すべきだとし、2026年までにG20加盟国の半数が月ごとの電力割当制に移行すると予測している。
(注1)Hyperscale Data Center Capacity to Almost Triple in Next Six Years, Driven by AI(Synergy)
(注2)Oracle races to expand cloud regions, anticipating demand surge(CIO Dive)
(注3)Microsoft, Oracle tighten multicloud alliance, ease data migrations(CIO Dive)
(注4)Data Centers Contribute $2.1 Trillion to US Economy, New PwC Study Finds(Cision)
(注5)Hyperscalers bet on costly new data centers to capture growing market(CIO Dive)
(注6)Gartner Unveils Top Predictions for IT Organizations and Users in 2024 and Beyond(Gartner)
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