SNSは2025年までにオワコンになる? 「インプレゾンビ大発生」の影響が調査で判明Retail Dive

適当な発言を繰り返すbotやインプレゾンビをSNSで見ない日はない。ガートナーの調査によると、一般ユーザーのSNSへの信頼度は低下している。宣伝やマーケティングにSNSを利用している企業は、「ユーザーの信頼を失ったSNS」にどう対応すべきだろうか。

» 2024年02月08日 07時00分 公開
[Kaarin VembarRetail Dive]

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 現在、多くの企業が情報発信やマーケティングの手段としてソーシャルメディア(SNS)を利用し、運用に多額のコストをかけている。

 しかし、Gartnerの調査によると、一般ユーザーのSNSへの信頼度は低下している。SNSプラットフォームの質の低下によって、2025年までに消費者の50%がSNSでの交流を放棄するか、利用を大幅に抑制するようになるという(注1)。

 SNSプラットフォームの「質の低下」とは具体的に何を指すのか。

ユーザーの5割が「SNSは衰退する」と回答 その理由は?

 Gartnerは2023年夏、一般消費者260人以上を対象とした調査を実施した。同調査によると、回答者の70%が「生成AI(人工知能)のSNSへの統合が進めばユーザー体験が損なわれる」と答えた。

 つまり、「SNSプラットフォームの質が低下している」と感じる人が理由として挙げるのは、誤った情報の拡散や有害なユーザー、botのまん延などで、生成AIはそれらの問題をさらに深刻化させると考えられている。

 多くのマーケティング担当者は、「SNSは確かな投資対効果をもたらす」と見ている。しかし、消費者のSNSとの関わり方は、大きな変化の真っただ中にあるのかもしれない(注2)。

 Gartnerのエミリー・ワイス氏(マーケティング部門上級主任研究員)は「SNSは依然としてデジタルマーケティングの投資チャンネルのトップにある。しかし、消費者は利用を抑制しようとしている。数年前と比較して、生活の様子やコンテンツを共有する回数を減らしたユーザーは相当数存在する」と語った。

 同調査の報告書によると、回答者の53%が「SNSは前年や5年前と比べて衰退している」と回答したという。

 2023年にGartnerが実施した別の調査では、「AIを利用したコンテンツジェネレーターは虚偽や誤解を招く情報を拡散する可能性がある」と考える回答者は72%に上った。

 「AIへの不信感や信頼不足によって、一部の消費者はAIを利用しないSNSや対話を求める方向に向かうだろう。一部のSNSはAIを敬遠し、より人間らしいポジショニングを優先するかもしれない。こうした『アコースティック』なコンセプトは、『AIを活用したビジネスが非人間的で同質的である』という認識から遠ざけるために活用されるだろう」(ワイス氏)

 2023年に全米産業審議会がビジネスメディアのRagan Communicationsと共同で実施した調査によると、ほとんどのマーケターやコミュニケーションの専門家がAIを使用したり実験したりしている。同調査の結果によると、マーケターにとってのAIの一般的な用途にはコンテンツの要約の他に、顧客やユーザーのコンテンツのパーソナライズ、顧客サービスの改善などが含まれる。

 ワイス氏によると、SNS体験の変化にマーケティング部門の幹部は適応する必要があるという。「CMO(最高マーケティング責任者)は、顧客獲得とロイヤルティー維持の戦略に再度焦点を当てなければならない」(ワイス氏)

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