新システム導入はなぜ失敗するのか 輸送管理システム導入から学ぶ7つの教訓(1/2 ページ)

新システム導入にはさまざまな困難があり、失敗することも多い。本稿では輸送管理システム導入を例に、新システム導入時のベストプラクティスについて解説する。

» 2024年02月26日 12時00分 公開
[Reda ChouffaniTechTarget]

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 輸配送管理システム(TMS)は、企業の業務改善に役立つシステムだが、その実装においては、業務に中断が発生したり費用が高くついたりするおそれもある。システム導入計画を成功させるためには適切な実装が不可欠であり、サプライチェーンの責任者は実装のベストプラクティスに従うべきだ。

 原料や製品の出荷や受領業務を実施する企業の多くは、もともと手作業で荷物を追跡していたが、のちにTMS導入の必要性に気付くところも多い。TMSを利用すれば、ドライバーの現在位置の追跡や配達および集荷のスケジューリングが可能になる。さまざまなTMSプラットフォームを適切に評価して、どれが自社のニーズに合うかを判断し、さらにそれらを試用してみることで、TMSの実装をより円滑に進められる。

 それでは、TMS導入のベストプラクティスについて学んでいこう。

1.強力な導入チームを作る

 TMSの選定と導入には、さまざまな背景を持つ従業員の登用が必要だ。選定責任者には出荷や受け取りの担当者やIT担当者が就くべきだ。

 チーム結成後は、業務プロセスが予定通り進むよう定期的に会議を開くと良いだろう。

2.明確な目標意識を持つこと

 TMS実装後を明確に予想し、目標を立てておけば、新たなプラットフォームへの投資が確実に結果につながるだろう。

 導入チームは現行の業務プロセスを評価し、TMSで解決すべき問題をリストアップする必要がある。例えば、「従業員は現在『Microsoft Outlook』や『Microsoft Excel』のようなツールを利用して荷物の集荷の予定を立てているが、それらのツールが倉庫システムや他のプラットフォームとリアルタイムで接続していない」というケースも考えられる。こうした現行のプロセスの制約を理解すれば、将来的に会社に必要なものを明確にするのに役立つ。

3.製品評価プロセスを構築する

 数あるTMSにはある程度の共通点があるが、導入チームは正式な製品選定プロセスを策定すべきだ。

 統合機能や費用、サポート、機能などを評価する欄を設けた表を作成してチームメンバーに記入してもらえば、ソフトウェアの選定に役立つ場合もある。

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