2024年に入りAIの導入に注力する企業が増えていくにつれて、AIを使いこなせる人材の需要も高まりを見せている。生成AIのスキルを持つ技術者は最高で17万4727ドル(日本円で約2500万円)の平均給与が期待できるという。
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2024年2月21日(現地時間)に発表されたIndeedの報告書によると、生成AI(人工知能)のスキルを持つ求職者は、そうでない求職者に比べて平均給与が47%高いという(注1)。これは「Indeed」プラットフォームにおける求人広告の給与データを調査した結果によるものだ。
同社の分析によると、生成AIのスキルを持つ技術者は最高で17万4727ドル(日本円で約2500万円)の平均給与が期待できる仕事もあるという。
ディープラーニングやコンピュータビジョン、「Rust」および「PyTorch」のような特定のソフトウェア言語やフレームワークの知識と並び、生成AIのスキルは求職者に高い収入をもたらす。
2023年の求人市場の変動が収まり、2024年は企業が一度延期したプロジェクトを再開してAIの導入を促進し、市場が安定してきた(注2)。専門性の高い人材が不足する中、技術に長けた求職者は企業のこうした取り組みから恩恵を受ける。
データサイエンティストや機械学習エンジニア、ソフトウェアエンジニアは、これらの求められるスキルを要する職務の一例だ。
「IT業界で最も高給なスキルの半分はAIに特化したものだ。AIスキルを持つ求職者は競争の激しい求人市場で際立っており、同業他社よりも高収入を得られる可能性があることを示唆している」(Indeed)
IT業界団体CompTIAのデータによると、2024年1月に掲載された技術職の求人件数は40万件近くに上り、前月から3万4000件近く増加したという(注3)。
ITに特化した研究やアドバイザリー業務を実施するInfo-Tech Research Groupのブライアン・ジャクソン氏(リサーチディレクター)は、「AI関連のスキルを持つ人材が市場に不足していることが、人材の需要と供給の間に溝を生じさせている」と指摘する。
「求人市場に出ているデータサイエンティストや、データをモデル化してデータウェアハウスを構築する方法について数学的なレベルで理解している人材は、非常に不足している」(ジャクソン氏)
企業のリーダーは、スキルアップやトレーニングの機会を通じて人材不足に対処できる。テクノロジー企業HackerRankの調査によると、このような機会に関心があるにもかかわらず、「企業側がスキルアップやAIスキル習得のための時間を提供している」と答えた開発者は4人中1人以下だった(注4)。
(注1)Highest Paid Skills in Tech(Indeed)
(注2)AI, new projects to jumpstart tech hiring in 2024(CIO Dive)
(注3)Tech job postings, sector hiring rebound in January(CIO Dive)
(注4)AI development skills are in high demand, but training lags(CIO Dive)
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