3月31日は“世界バックアップデー” 筆者の失敗談から学ぶ最高の環境作り半径300メートルのIT(1/2 ページ)

サイバー攻撃が盛んな今、「重要データのバックアップを取得しなければ」と思う方もいることでしょう。しかしただこれを取得していれば十分かと言われるとそうではありません。今回は筆者の失敗談から、理想のバックアップ環境を考えます。

» 2024年03月19日 07時00分 公開
[宮田健ITmedia]

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 毎年恒例、「世界バックアップデー」が3月31日にやってきます。エイプリルフールの1日前に、“ウソが実(まこと)にならない”ように制定された記念日です。ここまでで今回言いたいことはほぼ伝わっているかと思いますが、なかなか真意が伝わらないのがセキュリティの基礎の基礎であるバックアップ。今回は筆者の失敗談も含め、バックアップの重要性をあらためてお話ししていきましょう。

毎年3月31日は「世界バックアップデー」(出典:世界バックアップデーのWebサイト)

最高のバックアップ環境を作ったつもりが…… 筆者の失敗談

 本コラムでも少し前に、とうとうSSDをバックアップメディアとして使い始めたことに触れました。その後について、ほんの少し続報を。

 あるタイミングからSSDが安価になったことで、「バックアップメディアとしてもこれを活用してみよう」と考えた筆者は、それなりに速く、それなりに安いSSDを秋葉原で見つけて購入しました。

 もちろん破棄することを考えて、最初から暗号化も忘れていません。この運用方法であれば、破棄の際は物理的に破壊することもなく暗号化用の鍵を捨てればいいだけです。性能も良くなり、暗号化によるオーバーヘッドも気にならなくなったのは喜ばしいことでしょう。

 SSDと一緒にUSBでつながるケースも購入し、非常にリーズナブルかつ、雑に持ち運んでも故障しない、可動部品のないメディアが手に入ったことで浮かれていたのもつかの間、その日は突然やってきました。

 なぜかSSDを接続しても全くマウントせず、直近のバックアップデータを見れなくなってしまったのです。「USBとしては認識していながらも、データが見えない」というこの状況……思い当たる節はたくさんあります。

 そういえば前回データをコピーしたときになかなか完了しなかったり、突然接続が切れたり……。特に大容量のファイルをコピーしたときに発生していました。わずかな望みに賭けてUSBケースを買い換えてもうまくいきませんでした。SSDストレージをバックアップメディアにするのはまだ早かったか……。

 こうした事態に備えて、ポータブルHDDに同じデータを保存していたため事なきを得ましたが、ポータブルHDDの寿命はたかがしれていますので、早速代替のストレージを作り出さなければなりません。SSDの信頼性を疑うわけではありませんが、そもそもバックアップのストレージをケチろうとしたことがきっかけの事故だったような気がします。「SSDで記録するなら、信頼できるベンダーのデバイスを買うべし」。いい教訓となりました。

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