自社固有の経営指標をAIで即座に分析 どう構築するのか

経営判断に必要なデータの範囲が拡大している。個々の領域でシステムやツールがあったとしても、それらを分析するには膨大な工数と専門人材が必要になる。この問題を即座に解決する仕組みを構築できるという。

» 2024年03月21日 14時01分 公開
[荒 民雄ITmedia]

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 人的資本、GX推進への対応など、企業経営で扱うべき情報が拡大している。システムやツールがあってもそれらの情報を分析、報告するのは人間の仕事だ。今まで主に財務情報を扱ってきた担当者がこれらの膨大な情報を管理、分析して適切にレポートするには膨大な工数と専門知識の獲得が必要になる。この領域をAIで効率化する支援サービスが登場した。

拡大する経営アジェンダ 自社固有の経営指標をAIで分析するための仕組みをどう作るか

 アビームコンサルティングが「AIソーシング」サービスを開始する。企業経営における専門性の高いスキルや知見が求められる業務にAIを生かす。アビームコンサルティングはAIソーシングによって人的資本経営やサステナブルサプライチェーンなど、高度化する経営アジェンダの推進、専門人材の不足解消などの課題を解決するとしている。

AIソーシングの概要(出典:アビームコンサルティングのプレスリリース)

 AIソーシングは、独自の方法論を取り込んだAIプラットフォーム「ABeam AI Platform」をベースに、アビームコンサルティングのコンサルタントが企業経営におけるマテリアリティ(重要課題)の特定とその解決、目的に沿ったAIソリューションの設計と開発、運用プロセス構築までを担う。

 AIソーシングではまず、ヒアリングやワークショップを介して課題を抽出して評価し、優先順位付けを行う。その後、必要なアナリティクス基盤を構築し、生成AIをはじめとするAIアルゴリズムを使った機能モジュールを組み合わせてAIサービスを開発して、ML Opsの手法に基づくAIモデル運用を行う。

 アビームコンサルティングではAIソーシングの代表的な活用例として、KPIやKGIのモニタリングを行う「人的資本経営モニタリング基盤」、需要予測や生産計画、財務管理などの調達業務をAIにアウトソースする「サステナブル調達」(AI調達)、財務、非財務データを対象とする「ガバナンス強化」を挙げている。

 アビームコンサルティングはNEC傘下のコンサルティング会社。NECはAI関連事業にも注力している

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