KDDIが国産LLM開発のELYZAをグループ傘下に 狙いは

KDDIが生成AI開発を手掛けるスタートアップを買収した。国産LLMを生かし、領域特化型LLMの開発などを進め、企業や自治体に展開する計画だ。

» 2024年03月22日 08時30分 公開
[荒 民雄ITmedia]

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 国産の大規模言語モデル(LLM)開発企業の1社であるELYZAが2024年4月1日からKDDIグループの傘下に入る。KDDIが43.4%、KDDI Digital Divergenceが10.0%のELYZAの株式を保有する。

KDDIの発表には通信だけでなくリテールやモビリティの文字も並ぶ(出典:KDDIのプレスリリース)

3社のAI人材を結集 ターゲットは企業と自治体

 今回の発表によれば、2024年4月1日をめどにKDDIが43.4%、KDDI Digital Divergenceが10.0%のELYZAの株式を保有する予定だ。今後はKDDIグループが持つ計算基盤やネットワーク資源などを生かした生成AIの社会実装を進めるとしており、2024年春から順次、生成AI関連のサービス提供を企業や自治体向けに展開する。

 発表によると主に以下の領域でサービスを開発する計画だ。

  • オープンモデル活用型の日本語汎用(はんよう)LLM開発
  • 領域特化型のLLM開発
  • 生成AIを活用したDX支援・AI SaaSの提供

 このうち「領域特化型LLM」ではグループ傘下のアルティウスリンクと連携し、まずは企業や自治体をターゲットにコンタクトセンター特化型のLLM開発を進める。今後は金融、小売業などにも対象を拡大する計画だ。

 ELYZAは東京大学・松尾豊教授の研究室のメンバーが立ち上げたAI開発事業を手掛けるスタートアップ。直近ではGPT-3.5相当のパラメータを持つ商用利用可能なLLMを開発している。

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