伊藤園がレガシーな基幹システムをSaaS ERPでモダナイゼーション オンプレとは異なる工夫とは

伊藤園が約15年前に導入した基幹システムはレガシー化が進んでいた。そこで同社は新たな基幹システムとしてSaaS ERPを選択した。最大限活用するために心掛けていることとは。

» 2024年04月18日 07時00分 公開
[大島広嵩ITmedia]

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 伊藤園グループ(以下、伊藤園)が約15年前に導入した基幹システムは、デジタル化の進展や販売チャネルの多様化、直接取引の増加などの変化に対応するのが難しくなっていた。

 そこで同社は、新たな基幹システムとしてSaaS ERPを選択した。同社が選定したERPは何か。また、SaaS ERPを最大限活用するために心掛けていることとは。

オンプレERPとSaaS ERPで異なる活用方針

 日本オラクルは2024年4月17日、伊藤園が基幹システムの会計、間接購買の領域を「Oracle Fusion Cloud Enterprise Resource Planning」(以下、Oracle Cloud ERP)に刷新したと発表した。その他の領域でも段階的なクラウドへの移行を検討しているという。

 同社は15年前に導入した「Oracle E-Business Suite」を改修して利用していた。しかし、デジタル化の進展、販売チャネルの多様化や直接取引の増加といった環境の変化に追随するため、クラウドネイティブSaaSのOracle Cloud ERPへ移行を決定した。

 伊藤園は新ERPの選定で、標準プロセスで包括的な業務領域をカバーできる機能や、国内外のグループでSaaSのERPを利用できる点を重視した。SaaSであることから、AIなどの最新テクノロジーが速やかに搭載される点や、スマートフォンによる経費精算や購買入力、申請、承認が可能な点も評価された。

 Oracle E-Business Suiteの導入では、実務部門にヒアリングして要件を取り入れたが、実際は使用されない機能が存在した。そのため、要件定義によって新たな業務要件を追加せず、Oracle Cloud ERPの最新機能を活用する方針を採用した。

 伊藤園の青柳敏夫氏(情報管理部 部長)は以下のようにコメントした。

 「当社は、茶に特化したスペシャリストして、おいしさと価値を広く伝える世界のティーカンパニーを目指し、グローバルで新しい価値を創造し、伝統と先端技術を融合したユニークな企業として事業を推進しています。持続的な成長を目指す企業としてデジタル社会に対応するためには、最新のテクノロジーが搭載されたSaaSに移行することが不可欠と判断しました。Oracle Cloud ERPを活用することで、働き方を変革し、最新テクノロジーのメリットを最大限享受しながら、変化対応力を強化し、事業成長をサポートしていきます」

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