コカ・コーラはなぜ生成AI導入を急ぐのか? Microsoftとの提携拡大に1700億円投資の理由CIO Dive

食品・飲料メーカー各社が生成AI導入を進めている。コカ・コーラは約1年前から「ChatGPT Enterprise」を利用しており、2024年4月にはMicrosoftとの提携拡大を打ち出した。生成AI活用を急ピッチで進める同社の目論見とは。

» 2024年05月29日 08時00分 公開
[Lindsey WilkinsonCIO Dive]

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 飲料メーカー大手のThe Coca-Cola Company(以下、Coca-Cola)はMicrosoftとの提携を拡大し、Microsoftのクラウドサービスと生成AI(人工知能)サービスを利用するために11億ドルを投資すると、2024年4月23日(現地時間)に発表した(注1)。

食品・飲料メーカーでも進むAI活用 

 発表によると、Coca-Colaはあらゆる業務で「Azure OpenAI Service」と「Microsoft Copilot for Microsoft 365」のユースケースをテストする予定だという。

 同社は顧客体験の向上や業務効率化、成長機会の特定のために、Azure OpenAI Service上で生成AIアシスタントのパイロットプログラムを実施している。

 Coca-Colaのニーラジ・トルマーレ氏(シニアバイスプレジデント 兼 グローバルCIO《最高情報責任者》)は、「Microsoftとのパートナーシップ拡大は、当社が新興テクノロジーを活用したデジタルファースト企業に向かうための重要なステップだ。MicrosoftのサービスはAIを迅速に導入し、企業価値を向上させるのに役立つ」と声明で述べた。

 Coca-Colaは、生成AIをいち早く導入した。同社は「ChatGPT Enterprise」を自社ワークフローでテストした最初の企業の一社であり、1年弱の利用経験がある(注2)。Coca-Colaはマーケティング活動促進に「ChatGPT」を活用しており、2023年6月、マーケティング変革オフィスのバイスプレジデント 兼 生成AIグローバル責任者にプラティク・タカール氏を任命した(注3)(注4)。

 Coca-Colaはクラウドに関しても以前から活用している。同社は2020年に開始したパートナーシップの一環として、全てのアプリケーションを「Microsoft Azure」に移行した。同年に発表された、5年間で2億5000万ドルを投資するクラウド契約と従業員コラボレーション促進戦略により、従業員は「Microsoft Teams」と「Microsoft 365」を利用できるようになった(注5)(注6)。

 Coca-Colaのジョン・マーフィー氏(社長兼CFO《最高財務責任者》)は声明の中で、「Microsoftとのパートナーシップは飛躍的に拡大した」と述べる。

 toCビジネスを主とする同社は、食品・飲料部門全体でテクノロジー活用を強化している(注7)。

 一方、飲料メーカー大手のPepsiCoは2023年6月、スタンフォード大学のAI研究機関であるStanford Institute for Human-Centered Artificial Intelligenceと協力し、「責任あるAI」導入のためのベストプラクティスを開発し始めた(注8)。同社は、複数年にわたる広範な生産性向上計画を実行しており、ERPの移行を進めながらCIOの欠員を補充しようとしている(注9)(注10)。

 General MillsやKraft Heinzのような食品メーカーも生成AIを活用し、従業員向けにLLM(大規模言語モデル)ベースのツールを展開して生産性向上とデータ分析能力の向上を目指す(注11)(注12)。

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