生成AIに力を入れる日立がMicrosoftと協業 効果は「3年間で数十億ドル規模」

日立がグループ全体で生成AIの取り込みを本格化させている。「Generative AIセンター」設立に続き、米Microsoftとの協業を発表した。

» 2024年06月13日 08時40分 公開
[ITmedia]

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 日立製作所(日立)は2024年6月4日、Microsoftと生成AIを活用した社内イノベーションの分野での協業を発表した。協業の範囲は日立グループ各社にわたり、「3年間で数十億ドル規模」(日立の発表による)の成果創出を見込む。

クラウド、データ、IoT…「Lumada」ブランドとMicrosoftのAI

 日立は2023年に「Generative AIセンター」を設立し、生成AIの活用やソリューションへの適用を進めてきた(関連記事)。今回、日立が発表した取り組み内容は、このGenerative AIセンターを軸に、社内実践、既存ソリューションへのAIの適用など多方面にわたる内容になっている。

社内の業務効率化、生産性向上にCopilotなどを活用、システム運用で成果

 Generative AIセンターがMicrosoftと連携し「Copilot fot Microsoft 365」や「GitHub Cipilot」を活用して、自社の業務効率化やアプリケーション開発の生産性向上を進める。「Azure OpenAI Service」を活用したカスタマーサービスの高度化も推進する。

 特に日立が得意とするミッションクリティカルシステムを含む、開発品質の維持と生産性向上に役立つとしており「日立のナレッジである詳細設計情報を入力した社内検証では、アプリケーションのソースコードを70〜90%の割合で適切に生成でき、品質の高いアウトプットを得られることを確認」(プレスリリース)としている。この他、機器監視や予知保全にも生成AIを生かす。既に鉄道インフラの監視プラットフォームを「Microsoft Azure」で構築し、データの可視化と分析をAIで最適化してその成果を確認しており、英国の鉄道システム運営会社Network Railにおいて架線予防保全で効果を確認したという。

ITシステム運用、発送電など、Lumadaソリューションへの生成AIの適用

 日立は「Lumada」ブランドを掲げ、技術領域を横断したソリューション提供を進めている。IoTを含むデータ活用やAI、クラウドソリューションの活用など、DX全般に関わる領域でパートナーやベンダー、顧客を巻き込んで社会課題解決に挑むことがコンセプトだ。

 データやIT施策が企業の成長の鍵を握る状況を踏まえ、個別のITソリューションを提供するのではなく、エンタープライズITのインフラ構築・運用、継続的な革新から、新たな価値創出のためのアイデア創出までを支援する体制と考えると分かりやすいだろう。このLumadaブランドで提供するソリューションにも生成AIを取り込む。

 既に統合システム運用管理「JP1」のSaaS版「JP1 Cloud Services」においてMicrosoftの生成AIを活用したサービスを提供しており、運用オペレーターの初動の判断時間を約3分の2までに短縮できるとしている(関連記事)。今後、日立エナジーを中心にエネルギー業界向けにアセットパフォーマンス管理やエネルギー取引およびリスク管理などの領域への適用を進め発送電、配電の最適化と信頼性向上を目指す。

ITソリューション領域でのパートナーシップ拡大、DC最適化にも適用

 GlobalLogic、Hitachi Digital Services、日立ソリューションズといった日立ブループのITソリューション提供企業におけるMicrosoftと共同でのサービス強化も推進する。AIを活用する際の計算処理の増加に起因するデータセンターのCO2排出量の増加問題については、欧州で日立とMicrosoftが共同でデータセンタープロジェクトを推進する。

 この他、日立が提供するAI人材(「GenAI Professional」)育成プログラムに、GitHub CopilotやAzure OpenAI Serviceを利用したソフトウェア開発プログラムのスキル育成研修を組み込む。日立は今後5万人以上のGenAI Professionalを育成するとしている。

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