RIZAPがAIマニュアル探索ツールを1カ月半で開発 AWSの支援を受けてRAGで実装

RIZAPのDX子会社が生成AIを使ったマニュアル探索ツールを内製で開発した。ARAGの手法を使った仕組みをWSの支援を受けて実装した。

» 2024年06月18日 08時00分 公開
[原田美穂ITmedia]

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 RIZAPのDX専門子会社RIZAPテクノロジーズが「Amazon Bedrock」と「Amazon Kendra」を使って業務マニュアル探索ツールを独自に開発した。2024年6月17日にRIZAPグループが発表した。

 ライザップテクノロジーズはRIZAPが「DX予算100億円、エンジニア100名採用」を掲げて2022年6月に設立したDX専門子会社だ。グループ企業横断おデータ基盤構築やデータ分析、RPAによる業務自動化、デジタルマーケティングの他、「chocoZAPアプリ」などのアプリケーション開発も手掛ける。

 今回開発したのはグループ全体の従業員向けのチャットBot業務マニュアル検索ツールだ。クラウドのAIサービスを利用して、開発からわずか1カ月半で導入した。

AWSの支援を受け、1カ月半で導入

 今回同社が開発したマニュアル検索システムは、Amazon Web Service(AWS)が提供する生成AI開発向けのサービス「Amazon Bedrock」と、機械学習を活用した検索サービス「Amazon Kendra」の組み合わせて実装したもの。AWSジャパンの支援プログラムを受けながらRIZAPテクノロジーズが開発を内製した。

今回開発した業務マニュアル検索ツールと動作イメージ(出典:RIZAPグループのプレスリリース)

 Bedrockのサービスを使って自然言語による問い合わせを受け付け、その内容をKendraに問い合わせ、その結果を対話形式で返す。生成AIと独自の情報源を組み合わせるこうした仕組みは「Retrieval-Augmented Generation」(RAG、検索拡張生成)と呼ばれる。

 独自のナレッジデータベースなどに最適化した問い合わせを行うことで、正確な応答が可能になる。ナレッジデータの探索は、一般的にはキーワード検索の他、画像などの非構造化データを含む情報をスコアリングして探索するベクトル検索が用いられる。生成AIによる業務アシスタント開発においては、生成AIモデルにおける回答のハルシネーションを回避して正確な情報を返す目的で、RAGの手法が注目されている。

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