近い将来、サイバー攻撃の17%に生成AIが関与する Gartnerが予測を発表セキュリティニュースアラート

Gartnerは世界の情報セキュリティ支出に関する調査結果を公開した。2024年に1839億ドルに達し、2025年には15.1%増加するとGartnerは予測している。この他、生成AIの導入がサイバー攻撃にも影響を及ぼすとし、全攻撃の17%に関与する見込みだ。

» 2024年09月18日 08時30分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 Gartnerは2024年8月28日(現地時間)、世界の情報セキュリティ支出に関する調査結果を公開した。2024年の情報セキュリティにおける世界のエンドユーザー支出は1839億ドル、2025年には2024年比15.1%増の2120億ドルに達すると予測している。

サイバー攻撃の17%に生成AIが関与する可能性あり

 Gartnerのシニアリサーチプリンシパルであるシャイレンドラ・ウパディヤイ氏は「クラウドへの移行や人材不足といった要因により、サイバーセキュリティが組織の最優先課題となり、CISO(最高情報セキュリティ責任者)にとっては支出の増加が避けられない状況にある」と指摘する。特に「エンドポイント保護プラットフォーム(EPP)やEDR(Endpoint Detection and Response)製品の需要が高まっているとし、セキュリティ対策の強化が進められている」と述べている。

 Gartnerによると、生成AIの導入が進むことでセキュリティソフトウェア市場への投資が拡大することが報告されている。2025年までに生成AIに対するセキュリティソフトウェアの支出は15.1%増加し、1006億ドルに達すると予想される。特にアプリケーションセキュリティやデータセキュリティ、インフラストラクチャ保護への投資が強化される見込みだ。

 生成AIは攻撃者側にも利用され始めており、Gartnerは2027年までに全てのサイバー攻撃の17%に生成AIが関わると予測している。攻撃者は大規模言語モデル(LLM)を使ったソーシャルエンジニアリング攻撃を実行する傾向が強まっているという。

 他にも組織のクラウド化が進む中で、クラウドセキュリティソリューションの需要も急増することが見込まれている。クラウドアクセスセキュリティブローカー(CASB)やクラウドワークロード保護プラットフォーム(CWPP)の市場規模は、2024年の67億ドルから2025年には87億ドルに拡大すると予測している。

 Gartnerによると、セキュリティ業界全体でのスキル不足が深刻化しており、セキュリティサービス市場の成長が促進される見込みだ。セキュリティコンサルティングやセキュリティプロフェッショナルサービス、マネージドセキュリティサービスといった分野への投資が促進され、他のセキュリティ分野よりも高い成長が見込まれている。

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