「AIで業務効率化」できている企業が多数との調査結果 だが足りないものがあるCIO Dive

企業がAIの導入を進める中で具体的な成果も見え始めている。しかし、効果的なAIプロジェクトを展開するための十分なリソースを備えている企業は2%に過ぎず、まだ解決すべき課題は多いようだ。

» 2025年02月26日 10時00分 公開
[Lindsey WilkinsonCIO Dive]

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 4000人のナレッジワーカーとビジネスリーダーを対象としたFreshworksの調査報告(2024年12月発表)によると、従業員は1日あたり約3時間を退屈な作業や雑務に費やしており、彼らのほとんどはAIに業務の一部を任せたいと考えているという(注1)。

効果は確実にあるが……98%の企業で不足するもの

 ほぼ全ての従業員がAIによって時間を節約できていると回答しており、約3分の2が節約した時間を同僚の指導や創造的な業務に充てていると答えた、と報告書には記されている。

 2025年を迎えてもなお、多くの企業がAIによる生産性向上を求めており、リーダーらは以前に比べてAIを活用できる態勢を整えている。

 「生成AIの初期の草の根的な実験が広範囲に成果を上げ始めたことで、企業はAIをより深く受け入れるようになっている。CIO(最高情報責任者)の視点から見ると、AIの最も強力な能力は、今日のビジネス成功の最も重要な差別化要因である顧客体験と従業員体験の2つを直接改善できることだ」(Freshworks)

 従業員体験を向上させるために、企業はAI導入に対して包括的なアプローチを取らなければならない。技術を導入することはその第一歩だが、リーダーは従業員が与えられたツールを使いこなせるよう取り組んでいる(注2)。トレーニングは戦略の重要な要素となっている。

 先に挙げたFreshworksの報告によると、企業が2024年に導入計画を実施する中で従業員の意識は変化した。半数以上の従業員がAIを以前より理解していると回答し、半数近くがAIが目に見える価値をもたらしていると答えた。また、回答者の5人中2人近くがAIは期待に応えていると回答した。

 こうした進展があるにもかかわらず、ほとんどの企業は困難な課題に直面している。2024年10月に発表されたITコンサルティング企業Infosys Limitedの報告によると、効果的なAI施策を立ち上げるための人材やデータ、技術を備えている企業はわずか2%だ(注3)。それでもCIOは前年の教訓を生かして2025年も勢いを維持しようとしている。

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