IBMがDataStaxを買収へ watsonxを強化

IBMがDataStaxを買収すると発表した。「watsonx」の機能を拡張し、エンタープライズ向け生成AIのデータ活用を強化する。

» 2025年03月14日 10時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 日本IBMは2025年3月5日、分散データベース管理システム「DataStax Enterprise」を提供するDataStaxを買収すると発表した。「watsonx」の機能を拡張し、エンタープライズ向け生成AIのデータ活用を強化する。

 IBMはDataStaxが関与していた「Apache Cassandra」「Langflow」「Apache Pulsar」「OpenSearch」といったオープンソースコミュニティーの支援を継続する。

 多くの企業が生成AIを活用する上での大きな課題として非構造化データの活用が指摘されている。マッキンゼーの調査によれば、高度な生成AIを導入している企業の70%がデータ関連の課題に直面しており、企業が保有するデータのうちAIモデルで活用されているのはわずか1%と推定されている。

DataStax買収の狙いとは?

 IBMは企業のデータを活用した生成AIの拡張とビジネス変革を支援する分野で業界をリードしており、DataStaxの買収によってこれらの取り組みをさらに強化する。特にDataStaxのベクトル・データベースは非構造化データの活用と迅速な価値実現に優れている。また、Langflowは生成AIアプリケーション向けのグラフィカルでローコードな設計環境と複数の機能や要素を効率的に組み合わせて動作させる仕組み(コンポーネント・オーケストレーション)を提供することでさまざまなスキルセットを持つチーム間での共創を促す。

 DataStaxは2010年に設立され、米国カリフォルニア州サンタクララに本社を置く企業。顧客にはFedEx、Capital One、The Home Depot、Verizonなどが含まれる。なお今回の買収に関する財務詳細は非公開とされ、取引は慣習的な条件および規制当局の承認を経て、2025年第2四半期に完了する予定であることを伝えている。

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