Dellはソフトウェア主導の分離型インフラによるデータセンター向けの新機能群を発表した。ストレージの効率化、AIによるランサムウェア検知、エッジ対応の統合管理機能などIT基盤の柔軟性と自動化を強化し、企業の次世代運用を支援する。
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デル・テクノロジーズ(以下、Dell)は2025年5月21日(現地時間)、ソフトウェア主導の分離型インフラストラクチャーによる“モダンデータセンター”向けイノベーションを発表した。ストレージやサイバー レジリエンス、プライベートクラウド、エッジソリューションにおける新機能によりデータセンター運用の効率化と自動化を支援するという。
Dellは米国米ラスベガスで開催された「Dell Technologies World 2025」において、変化し続けるIT環境に柔軟に対応可能な分離型アーキテクチャーの構築を支援する、複数の製品とソリューションを披露した。
新たに発表された「Dell PowerProtect Data Domain All-Flash」アプライアンスは、データリストア時間を最大4分の1に短縮し、レプリケーション性能を2倍に向上させるなど、バックアップとリカバリーの能力を強化する。また、従来のHDDによるシステムと比較して最大80%の電力削減と40%のラックスペース削減を実現する。
「Dell PowerScale」ではオブジェクトストレージのサポートが拡充され、「PowerScale Cybersecurity Suite」によって重要なデータの保護と迅速なリカバリーが可能となる。クラウドとの連携においては、「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)のバースト機能を活用し、パフォーマンスの向上とコストの最適化を図る構成となっている。
さらに5周年を迎える「PowerStore」にはAI分析を活用した「PowerStore Advanced Ransomware Detection」が追加され、ランサムウェア攻撃に対する耐性を高めている。
Dellの「Private Cloud」はBroadcom、Nutanix、Red Hatなどのクラウドソフトウェアと連携し、分離型インフラストラクチャーでの柔軟な導入と運用が可能となる。再利用可能なインフラの採用と一元管理によって、プライベートクラウドの構築と拡張を簡素化する。
Private Cloudは「Dell Automation Platform」を基盤に展開され、ゼロタッチのオンボーディングと自動化機能により、従来の手作業に比べて最大90%の工程削減を実現する。ハードウェア設置から2時間半でクラスターの提供が可能となるのも特徴だ。
エッジおよびリモートオフィス向けには「Dell NativeEdge」の新機能が導入される。仮想化ワークロードに対して高性能かつコスト効率に優れたソリューションを提供し、ロードバランスやVMスナップショット、バックアップ機能などによってデータの安全性を確保する。マルチベンダーおよびレガシーインフラにも対応し、エッジ環境全体の統合的な管理を可能とする。
各ソリューションの提供開始時期は次の通りだ。
Dellは今回の発表を通じて、企業のデータセンター運用の革新を支援し、柔軟性と効率を兼ね備えた次世代IT基盤の構築に貢献する姿勢を明確にしている。
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