AWSは新料金体系「Database Savings Plans」を発表した。利用量に応じたコミットメントを設定することで、インスタンス型とサーバレス型の双方で自動割引が適用され、構成変更や地域変更があっても価格条件を維持できる。
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Amazon Web Services(AWS)は2025年12月2日(現地時間)、マネージドデータベースサービスの新たな料金体系「Database Savings Plans」を発表した。継続的な利用に対し1年間の利用金額コミットメントを設定することで、対象サービスの料金を抑えられる仕組みとされ、割引は時間単位で自動適用される。コミットメントを超える部分は従来のオンデマンド料金で計算される。
Savings Plansは従来、より長期利用時のコスト調整を可能にする価格モデルとして位置付けられてきたが、今回の拡張によってデータベース分野でも柔軟な料金管理が可能になる。
企業がデータ活用やAI関連アプリケーションを展開する際、データベースエンジンやデプロイ方式を変える場面が多い。これまではデータベースエンジンなどを固定しなければ割引を受けることができなかったが、Database Savings Plansはこうした状況に合わせて調整しながら割引を受けられる点が特徴で、インスタンス型とサーバレス型の双方を対象とする。移行作業やモダナイゼーションのさなかに構成変更が生じても割引が維持される設計となっている。
利用地域(リージョン)の変更にも対応しており、コミットメントが維持される限り、割引プランが継続して適用される。一定の時間当たりのコミットメントを設定することで、利用パターンが変化しても支出の見通しを立てやすい。
対象サービスは「Amazon Aurora」「Amazon RDS」「Amazon DynamoDB」(以下、DynamoDB)、「Amazon ElastiCache」「Amazon DocumentDB」「Amazon Neptune」「Amazon Keyspaces」(以下、Keyspaces)、「Amazon Timestream」「AWS Database Migration Service」(AWS DMS)だ。新たな対象サービスやインスタンスタイプ、リージョンが追加された際も自動で適用範囲に含まれる。
割引率はデプロイ方式やサービス種別で差がある。サーバレス型は最大35%の割引、プロビジョンド型インスタンスは最大20%の割引を受けられる。DynamoDBとKeyspacesはオンデマンドスループットで最大18%、プロビジョンドキャパシティーで最大12%の割引が設定される。これらの数値は料金最適化をする上で一定の判断材料になる。
購入手続きでは「AWS Billing and Cost Management コンソール」を使う。Savings Plansに関する推奨案を確認する方法と、購入水準を試算する機能が提供される。推奨案は直近のオンデマンド利用実績に基づき、自動でコミットメント量を算出する仕組みだ。Navigation ペインからSavings and Commitments、Savings Plans、Recommendationsへ進むと利用できる。
購入水準を独自に調整したい場合はPurchase Analyzerが役立つ。Lookback期間と時間当たりコミットメントを設定し、コストや適用範囲、使用率に影響を試算できる。少量ずつ積み増す購入戦略や将来の利用変動を見込む場合に適した方法だ。検討後はAdd to cartを選択し購入手続きへ進む流れとなる。Purchase Savings Plansページから直接購入することも可能であり、設定変更に合わせて割引見込みが即時に更新される。
Database Savings Plansは中国リージョンを除く全AWSリージョンで利用可能だ。AWSはコスト管理と柔軟性の両立を目指す仕組みとして活用を促している。
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