DXやAI活用が現場に定着する企業とそうでない企業では何が違うのか。IDCがINPEX、大日本印刷など先進企業3社の取り組みを基に、デジタル施策を組織に根付かせる企業風土やデジタル施策、CIOやIT部門の共通点を分析した。
DX(デジタルトランスフォーメーション)やAI活用に向けた投資が増加する一方で、業務変革にはつながらず、単なるシステム導入やツール活用にとどまる企業も多い。
変革が定着する企業とそうでない企業では、組織文化や企業風土にどのような違いがあるのか。IT専門調査会社であるIDC Japan(以下、IDC)が、組織文化や企業風土に関する分析結果を「IDC PeerScape:2026年 デジタル時代における企業風土/組織文化の変革」にまとめた(注1)。
IDCは、変革が定着しない企業が抱える構造的な課題として、以下の2点を指摘する。
では、変革を組織文化として定着させている企業は、他社と何が違うのか。IDCがINPEX、大日本印刷など国内大手企業3社を取材し、明らかになった共通点は次の通りだ。
IDCはINPEXや大日本印刷、金融業A社への取材を通して、「デジタル施策を単なる業務効率化や個別プロジェクトとして扱わず、経営の意思や事業の方向性と結び付け、現場の日常的な判断や行動に落とし込む工夫」を確認したという。
これらの企業では、IT部門やデジタル部門がITシステムの提供にとどまらず、事業部門や現場と協働しながら業務変革を設計、推進する役割を担い、現場の主体性を引き出す存在として機能している。人材育成やリスキリングについても、研修を実施するだけでなく、業務や役割の変化と連動させている。「このことにより、従業員一人一人がAI活用を『ジブンゴト』として捉え、自発的な行動変容につなげられる」と、IDCは分析する。
IDCの鈴木剛氏(Tech Buyer リサーチマネージャー)は、IT部門やCIO(最高情報責任者)を含む組織リーダーの役割について、「(IT部門やCIOなどが)単なる支援部門や推進役にとどまらず、企業全体の企業風土や組織文化の変革を設計し、現場の主体性を引き出す存在へと役割を転換することが重要だ」と指摘する。
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