レンサバ本舗.com


専用サーバの難しいというイメージは払拭されつつあると語る、GMOインターネット、IxP統括本部・セールスマーケティング本部の桂田博司氏

レンタルサーバのイメージを変えたサポート重視の専用ホスティング「まるごとserver」

 GMOインターネットが提供するホスティングサービス「レンサバ本舗.com」。このサービスブランドには初めてでもできる安心と手軽さの「共用レンタルサーバ」(ブロードサーバー)、専用サーバの拡張性を低価格で実現した「準専用レンタルサーバ」(まるごとserver/VPS:関連記事)、そして1台のサーバを独占する「専用レンタルサーバ」(まるごとserver)が用意されている。
 その中でも専用サーバの「まるごとserver」では、使いやすさと低コストを徹底追求したプラン「スマートパッケージ」と、そして用途に合わせた仕様を選択できるプラン「マイセレクト」が用意されている。これらのサービスが求められるニーズは何だろうか。また、ほかのサービスとの違いは? GMOインターネットのIxP統括本部・セールスマーケティング本部の桂田博司氏に聞いた。

専用サーバは大量なリソース消費とトラフィックに対応できる

 レンサバ本舗.comが提供する専用サーバ「まるごとserver」は、ユーザーフレンドリーで使いやすいホスティングサービスだと、桂田氏は語る。特にユーザーサポートを重視しており、サイト構築時にかかわるさまざまな疑問に応える体制を整えているという。

 「まるごとserver」には、あらかじめ平均的な仕様が整えられた「スマートパッケージ」、BTOで自分好みのサーバが構築できる「マイセレクト」がプランとして用意されている。また、どのプランにすればよいか最初は明確でないという場合には、レンサバ本舗.comの導入相談窓口にて専門のスタッフと十分な相談の上で決定することができる。サイト運用の経験、ホスティングサーバで何を目的とするか、といった基本事項を聞きながらアドバイスを受けられるのがメリットだといえる。

 レンサバ本舗.comで提供されるホスティングサービスには大きく分けて「共用サーバ」「準専用サーバ」「専用サーバ」の3種類があり、「まるごとserver」はこの中で専用サーバに分類される。従来までは、専用サーバといえば難解なイメージがあったが、最近ではニーズが高まっているという。いったいどこにその理由があるのだろうか。

 その理由として桂田氏はまず、最近のWebサイトにはデータの大容量化とトラフィックの増加があることを述べた。

 専用サーバは、ほかの共用サーバと比べて、ディスク容量が桁違いに大きく設定されている(Gバイトクラス)。それにも加え、データセンターの回線も太い。ポータルサイトやショッピングサイトなど、比較的トラフィックが増大していくことが予想できる場合には、ほかのサービスプランではリソース不足になることが考えられるのだ。このような世情もあり、データの大容量化やトラフィックの増加に伴って、共用サーバから専用サーバへと乗り換えるニーズがあるのだと桂田氏は語る。

 また、同氏は、レアなケースとしてサイトへのアクセス解析をするために専用サーバを利用する例も挙げた。コンテンツを配信するサーバとアクセス解析をするサーバが同一の場合、アクセス度合いが一定基準を超えてくると解析だけに多大なサーバリソースを必要としてしまう。このため、本来のコンテンツ配信に影響を与えないように、解析は別の専用サーバでまかなうという配慮だ。このような負荷分散は、比較的共用サーバでは困難なものだ。

 さらに専用サーバのメリットとして、個人情報の扱いを桂田氏は指摘する。例として挙げられた事例は、セキュリティが強固な専用サーバを2台導入し、一方をWebサイト、もう一方を個人情報を含むデータベース利用という使い方だ。このような複数サーバで構成するという動向は、専用サーバが廉価になってきたことも理由の1つだ。また、後述する管理ツールの充実さによって、管理が比較的容易になっていることも影響しているという。

複数ドメインを活用するための専用サーバ

 桂田氏は、ドメインを生かしたサイト構築や運用も大きなポイントであり、最近は注目が集まる話題だと語る。その際にも、専用サーバの有利な運用形態があるというのだ。

 ホスティングサーバの利用には、大きく分けて4つの用途があるという。1つ目はWebサイトの運営、2つ目はメールの利用、3つ目がファイルサーバ、そして4つ目がデータベースだ。

 例えば共用サーバでサイトを運営していた場合はどうだろうか。映画のプロモーションサイトなどで幾つかのドメインを有している場合、複数の共用サーバを用意する必要がある。これでは、数が増えるほどコストが比例して増えていく。専用サーバであれば、コスト削減にも大きな効果が期待できると桂田氏は強調した。

 同氏は、ほかにも興味深い事例を挙げた。

 前述のように企業がキャンペーンや商品ごとに複数ドメインを取得するケースが増えているが、Webサイトの目的に合ったドメインを取得しアクセス解析を行い、サーチエンジンへの最適化(SEO)を行うといった目的も重要なものだ。これらを統合することでドメイン活用ができると言っても過言ではない。これらの要求を解決するために、専用サーバへのニーズが増えているのだと桂田氏は語る。

独自仕様の専用サーバ構築「マイセレクト」

 専用サーバとしての「まるごとserver」のプランを見ていこう。まずは「マイセレクト」だ(以下、費用はすべて税込価格)。

 マイセレクトでは、サーバOSからメモリ搭載量など、仕様にかかわるすべての要素を、同社のサイト上でオンライン注文することができる。予めサーバリソース量を決めている場合、手軽にプラン選択ができるようになっている。また、見積もりフォームも用意されているため、金額を確認しながら選べるのが魅力だ。

 サーバとOSには次の選択肢がある(表1、2)。

表1■サーバの選択肢と価格
CPU HDD メモリ 初期設定料 月額利用料
Pentium4/2.8GHz80Gバイト512Mバイト8万4000円2万4675円
Pentium4/2.8GHz80Gバイト×2(RAID)512Mバイト8万4000円3万4650円
Xeon/3.2GHz(IBM eServer)73Gバイト×2(RAID SCSI)1Gバイト10万5000円6万4575円

表2■OSの選択肢と価格
OS 製品名 初期設定料 月額利用料
LinuxRed Hat Enterprise Linux2万1000円8925円
LinuxRed Hat Linux 9無料無料
WindowsWindows 2000 Server2万1000円8925円
WindowsWindows Server 20032万1000円8925円
WindowsWindows 2000 Server+Microsoft SQL Server5万2500円3万6750円

HDE Controllerの管理画面。Webブラウザ上でアクセスできる。各サービスのアイコンをクリックして、それぞれの設定項目へと移る


HDE Controllerの管理画面でアカウント情報ツリーを参照しているところ。ユーザーアカウント情報の追加や削除、グループ管理に加え、これらの情報をCSVデータとしてインポート、エクスポートもできる


Pleskの管理画面。Webブラウザ上でアクセスできる。色調だけでなくWindows XPのコントロールパネルに似せた構造であり、専用サーバの難しさを払拭することに役立っている


Pleskの管理画面。「サーバ管理」カテゴリーには、システム、サービス、コントロールパネルなどに分類され、サーバリソースのさまざまな挙動を制御可能な設定が簡潔にまとめられている

 また、マイセレクトでは専用サーバ運用のポイントとなるサーバ管理ツール(コントロールパネル)も3種類が用意されている。Windows XPライクのサーバ管理ツール「Plesk」(30ドメイン)の日本語版(初期費用2万1000円、月額1890円)や、商用で高機能さが定評な「HDE Controller(100ドメイン)」(初期費用3万1500円、月額8925円)、オープンソースのGUIツール「Webmin」(初期費用2万1000円のみ)も選択肢として用意されている。

 このほかにも以下の有料オプションサービスを付加することもできる(表3)。これらから必要なものを選択すれば、日ごろの運用が楽になるはずだ。

表3■付加サービスオプション
サービス名 初期費用 月額
専用型ファイアーウォール6万3000円2万6250円
VPN(25ユーザー)3万1500円1万5750円
セキュリティーアップデート1万500円5250円
ポートチェッカー(2ポート)0円5250円
追加ポートチェック(1ポート毎)0円3150円
バックアップ(1Gバイトごと)1万5000円3150円
アクセス解析2万1000円1万5750円
独自SSL発行(年更新)3万1500円0円
ウイルスチェック(1ドメインごと)2万1000円1050円
追加ドメイン3150円0円
メモリ増設(512Mバイト)6万3000円0円

 また、後述するスマートパッケージのようなプランを選ばず、BTO型の「マイセレクト」を利用する理由として、桂田氏は、ユーザーの利用形態に合わせてサーバを構築することが可能なことを指摘。パッケージプランでは、用途によって不要なものが加わったり、必要なものが含まれない場合があるため、BTO型はコスト削減に役立つのだ。

 加えて、マイセレクトにはユーザーからの要望が高いオプションをあらかじめセレクトしたパッケージプランも用意されている。セキュリティを強化した「セキュリティパッケージ」(初期設定14万700円、月額7万9800円)と、「サイボウズ Office 6 ライセンス版」を装備した「グループウェアパッケージ」(初期設定8万4000円、月額2万6565円)だ。

 ただし、「マイセレクト」ではサーバの管理権限がユーザーに委ねられるため、レンサバ本舗.comによる密なサポートは期待できない。サーバ上のソフトウェア設定も兼ねてサポートを重視したいのであれば、間違いなく「スマートパッケージ」がお勧めだ。

サポート重視ならば「スマートパッケージ」

 前述のように、敷居が高い専用サーバを容易に導入できることをポイントとしたのが「スマートパッケージ」だ。

 ディスク容量が異なる2タイプがあり、80Gバイトの「eS」は月額4万7250円、一方、RAIDでデータの二重化を行う80Gバイト×2(RAID)の「eS RAID」は月額5万7750円となっている。初期設定はいずれも5万2500円。サーバにはIBM eServer「xSeries 306」を採用し、OSはRed Hat Linux 7.3、CPUにはPentium4/3.0GHz、メモリ搭載量は512Mバイトだ。プロセッサも比較的高クロックであり、平均的なリソース量を十分に満たしている。

 「スマートパッケージ」で特筆な特徴は、セキュリティアップデートがフルサポートであることだ。このサポートによって、セキュリティホールに対するパッチを逐次レンサバ本舗.com側で充ててくれるため、ユーザーが特に意識しなくても安定稼動が保証される。最も脅威となってしまう「セキュリティホールが発見されても、穴が空いたままにしないことが重要」と桂田氏は強調する。

 また、管理権限はユーザーではなくレンサバ本舗.com側にあるため、サーバトラブルなど障害が発生した場合には密なサポート体制を受けることができる。この点も大きな魅力となっている。比較的サーバの安定性を重視する場合には、「スマートパッケージ」プランを利用するとよいだろう。

 そして欠かせないのがサポートの充実さだと桂田氏はコメントする。ヒヤリングを重視して、人と人とのコミュニケーションの中で信頼性を築き、フォローアップしていく。いわばこのサポート重視というポイントこそが、「まるごとserver」の根底にあるのだ。

 サポートの充実さは、プランの提供後でも活用提案を行うことからも伺える。メールなどを利用して、インターネットを活用したビジネスにおけるセミナー案内などを配信し、アフターフォローも積極的に行っているという。

利用するユーザーのニーズを第一に

 レンサバ本舗.comにおける専用サーバサービスについて、桂田氏に聞いた。

桂田 「まるごとserver」は、競合他社と比べてもサポートを徹底して注力しています。サポートを重視されるユーザーに対しては非常に魅力があるサービスになっていると考えます。

ITmedia 専用サーバの属性から、サポート傾向を教えてください。

桂田 傾向としては導入相談に対して、今まで利用してきた環境をどのように移行すべきか、という質問は多いですね。

 まるごとserverは、ユーザーにとって難しい説明を極力省いています。技術用語であっても、平たく理解しやすい説明を心がけています。サーバについて比較的詳しくない、幾つかの業務を兼務されてIT担当になったという人は多いものです。そのような方々にも分かりやすい言葉で説明し、導入していただこうと考えています。

ITmedia 専用サーバというイメージで躊躇している人にも勧められるわけですね。

桂田 そうですね。専用サーバには突き詰めれば難しい点がありますが、そのような難しさはプランによって払拭することが可能です。用途とスキルに合わせた選択こそがいちばんだと思います。

ITmedia 「まるごとserver」でのプランシェアの割合は?

桂田 「スマートパッケージ」を選択するケースが多いです。大規模なデータベースとWebサーバを構築したいという場合でも当てはまります。ユーザーニーズに適したものを平均的にプランとして取り込んでいるため、シェア動向結果からもマッチしていると言えるでしょう。

ITmedia ホスティングの動向として、乗り換えと新規、今後はどちらが増えると思われますか。

桂田 新規で専用サーバを利用するケースがいっそう増えると考えています。専用サーバのホスティングサービスは、価格が下がっていることも理由の1つです。そして管理の容易さも重要なものです。

提供:GMOインターネット株式会社
企画:アイティメディア 営業局/制作:ITmediaエンタープライズ 編集部/掲載内容有効期限:2006年5月15日