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ユーザーはiPhoneに満足、だがAT&Tには不満――米調査独占販売があだに

調査によると、iPhoneを使うためにキャリアを変更したAT&Tの顧客の間で不満が強いことが分かった。

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eWEEK

 スマートフォンに対する顧客満足度は、そのサービスを提供する携帯電話事業者に対する顧客満足度とは大きく懸け離れている――米CFI Groupが公表した9月30日付の調査報告書はそう結論付けている。その乖離(かいり)が最も激しいのが、iPhoneとその独占事業者であるAT&Tだと同報告書は指摘する。

 CFI Groupの調査では、J.D. Power and Associatesの調査結果と同様、顧客満足度のランキングでは、iPhoneがほかのスマートフォンを抑えてトップとなっている。この調査は1000人余りのスマートフォン所有者から回答を得たもので、iPhoneユーザーの92%が「理想的な携帯電話」だと答えている。また、iPhoneの満足度評価は100点満点で83点だったのに対し、Androidベースの携帯電話とPalm Preはともに77点、BlackBerryデバイスは73点、Palm Treoは70点だった。Windows MobileとSymbianベースの携帯電話は「その他」に分類され、満足度は66点だった。

 しかしキャリアの顧客満足度でトップになったのはT-MobileとVerizon(それぞれ79点)で、Sprint(74点)がその後に続いた。iPhoneを所有していないAT&Tの顧客は同社に73点の評価を与えたのに対し、iPhoneを所有している顧客による評価は69点だった。

 CFI Groupのプログラムディレクターで、同社のフィル・ドリオット副社長と共同で報告書を作成したダグ・ヘルムライク氏は「AT&TにとってiPhoneはもろ刃の剣だ。同社はiPhoneの魅力に引かれた何百万人もの新規顧客を獲得したが、これらの顧客の多くがAT&Tの顧客満足と社会的評判を下げているようだ」と記している。

 CFIの調査では、iPhoneを使いたいという理由でキャリアを変更したAT&Tの顧客の間で不満が強いことが分かった。iPhoneほどAT&Tのネットワークに大きな負荷を与えているスマートフォンはないが、「iPhoneを使うためにプロバイダーを切り替えざるを得なかった顧客は、AT&Tを好きになれないようだ」と報告書は付け加えている。

 これはVerizonにとってはうれしいニュースかもしれない。Verizonのスマートフォンユーザーの86%が同社を「理想的なプロバイダー」だと評価しているのだ。しかし同社はユーザーが最も望んでいる携帯電話を提供していない。現在使っているスマートフォンが「理想的な携帯電話」と答えたのは、Verizonのスマートフォンの顧客の38%にすぎない。キャリアとしての満足度は高いVerizonだが、同社がAT&Tと同じ立場に立った場合でも、それだけの評価が得られるかどうかは不明だ。

 「コンシューマーがスマートフォンにもっと多くの機能を求めているのは明らかだ。そういったスマートフォンを提供すれば、顧客に受け入れられるだろう」とヘルムライク氏は報告書で述べている。「キャリアにとっては、顧客をスマートフォンに囲い込むチャンスがあるというのは喜ばしいことだ。しかしその半面、新たに出現したスマートフォンユーザーの多くは大量のデータをやりとりするため、ネットワークがその負荷に対処できるのだろうかという不安もある」

 さらにヘルムライク氏は続ける――「iPhoneはAT&Tにとってドル箱になったが、その一方で同社は総合的な顧客満足の低下という代償を支払った。好きこのんでAT&Tに乗り換えたのではない顧客は、同社の顧客満足度評価を下げる可能性がある。Verizonについていえば、顧客が求めるスマートフォンをいつまでも提供できなければ、同社の評価が下がるかもしれない。しかしネットワークに大きな負担を掛けるスマートフォンを提供した場合に、同社のネットワークがそれに耐えられるのかという問題がある。現時点では、これはトレードオフの関係だ」

 またCFIの調査によると、ユーザーがスマートフォンを購入する主な目的は、Webの閲覧、電子メールの送受信、アプリケーションの利用などだ。携帯端末の「キラー機能」に基づくランキングでは、オーディオとビデオの再生およびゲームの利用についてはiPhoneが最上位にランクされたが、電子メールの送受信、ボイスメールの受信、WebサーフィンについてはPalm Preがトップだった。Bluetoothの使い勝手で最も評価が高かったのはAndroidベースの携帯電話で、地図と道案内機能ではPalm Preが1位にランクされた。

 iPhoneは顧客満足度でトップに立ったが、ヘルムライク氏とドリオット氏は「まだ試合は終わっていない」と記している。BlackBerryデバイスが追い上げており、Palm PreとAndroid携帯も地盤を拡大しているからだ。「iPhoneがアプリケーション分野での圧倒的優位性を失えば、そのアドバンテージがさらに揺らぐだろう」と両氏は報告書で述べている。この報告書はCFI GroupのWebサイトで読むことができる(無料)。

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