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<vol.19の内容>
携帯電話/PHSユーザー利用実態調査(6)
携帯電話・PHSの利用実態、利用ニーズを1万人にアンケート(対象は社会情報サービス社のインターネット専用モニター)した実態調査の最終回。携帯電話の利用シーンについて報告する
「アナザーヘブン 有料コンテンツという知られざる聖地(3)」
最終回となる第3回目の今回は、米国で急成長する有料コンテンツの現状をレポートする
ネットインサイダー編集部とモバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF:http://www.mcfnet.com/ )では、携帯電話/PHSの利用実態及び今後の利用者ニーズを明らかにすべく、1万人にアンケート調査を実施した。その結果を本誌面で6回に分けて報告する。詳細なレポートは資料として発売されている。
| 順位 | シチュエーション | % |
|---|---|---|
| 1 | 待ち合わせをしている間 | 51.7 |
| 2 | 自宅のパソコンの使用時 | 42.1 |
| 3 | 通勤、通学中 | 41.3 |
| 4 | テレビを見ながら | 26.8 |
| 5 | そのほか | 20.4 |
| 6 | 仕事中 | 20.3 |
| 7 | 寝ている間 | 3.2 |
| 8 | 会議中 | 1.5 |
インターネット・ビジネスといえば、「無料で大量の利用者を集め、広告収入を期待する」ビジネス・モデルが多い。いわゆる広告モデルといわれるものである。しかし、そのもう一方では、有料コンテンツのビジネスも存在しているのである。
無料のコンテンツがあふれるインターネットにあって、有料コンテンツビジネスは将来性がないと考えられているせいか、ほとんど取り上げられることはなかった。この特集では編集部独自の推計をもとに有料コンテンツ市場規模、市場構造などを整理する。
前回までは、有料コンテンツを購買している読者層をターゲットとすれば、単なる広告での収益に頼らないeビジネスが可能になると説いた。あらかじめ、顧客の趣向が想定でき、かつロイヤリティのある顧客を得ることは、マーケティングなどを行う際にも、さまざまな戦略を可能にさせる。
無料のWebサイトに慣れてしまったユーザーにとっては、コンテンツにお金を払うほどの価値があるのかどうか、疑問が残るところかもしれない。また、事業主にとっても、有料化によって、顧客が減ってしまわないか、本当にロイヤリティの高い顧客が集まるのか、という不安が出てきてしまう。だが、インターネット先進国米国では、有料コンテンツが成長している。
先日、バリュークリックジャパンが、クリック保証型電子メール広告から撤退すると発表した。そして、2000年3月28日付の日経ネットビジネスでは、同社社長ジョナサン・ヘンドリックセン氏が「米国では、1996年ごろは広告モデル型の無料の電子メールマガジンがはやっていたが、現在残っているのは内容の充実した有料のメールマガジンだけだ。私自身も、受信件数が増えるに連れてメールマガジンを次第に読まなくなった」と述べている。
無料コンテンツのシェアは大きいものの、競争も激しく、残っているのは、ブランド力のあるサイトだけである。Yahoo!の1999年の売上高は、588.6百万ドル、GO(インフォシーク)の1999年の売り上げは、231.6百万ドルと大きく開いていることからも、明らかである。だがその一方で、ブランド力はなくても、急成長を見せているのが、有料コンテンツ市場なのである。
その米国で現在、最も注目されているコンテンツに、有料のボータルサイトがある。ボータルとは、「バーティカルポータル(Vertical Portal)」のことで、「分野別のポータルサイト」という意味である。
ボータルでは、利用者の興味に応じた細かなニーズに応じることが可能である。ボータルは、企業だけを対象にしているわけではないが、最も成功しているのは、企業人が利用する業界別のWebサイトであり、その代表例が、「VerticalNet」である。
「VerticalNet」は、水道業界向けのWater Onlineから始まり、現在では50以上の産業別サイトを運営している。その中には、航空産業向けの Aerospace Onlineや、乳製品を扱うDaily Network.comなどがあり、1996年の売り上げが285万ドルから1998年には、3100万ドルへと、急成長を遂げている。
「VerticalNet」が提供するのは、主に業種別の最新情報をWebサイト上や、NEWS LETTERを利用して配信するサービスであるが、会員同士の情報交換なども、「VerticalNet」が成功した理由の1つである。
面白いことに、個々のWebサイトを訪れるのは、企業や会社ではなく、個人が専門的な興味から、Webサイトにやってきているということである。彼らは高度な専門知識を交換したり、また、商品の売買を行ったりしている。
従来、さまざまな業界紙や、専門誌、広告、展覧会など、売り手と買い手が直接出会う機会は限られていた。だが、「VerticalNet」のようなWebサイトによって、買い手が欲しい商品の詳細や、商品の条件などが明らかになる。特に、最近の高度な専門分野においては、買い手と売り手がリアルタイムで交渉できることは、大きな利点になっている。
当然ではあるが、このような信頼関係が重視されるWebサイトが成功を収めているのは、有料で運営されているということもある。ユーザーのモラルを保つためにも、有料にすることで初めて情報発信者の識別が可能になり、情報の質が保たれるからである。
以上の事実を総合的に判断すると、これからは、日本でも有料コンテンツ市場は、無料のコンテンツ市場と同様に成長すると考えられる。また、有料・無料を含めたコンテンツ市場全体を通して考えてみても、ネットビジネスが大きくなればなるほど、コンテンツの需要は増え続ける。
ネット業界における技術力の進歩は、日進月歩であり、技術だけでは企業の存続は危ういであろう。だが、コンテンツやサービスに対する需要はなくなることはないのである。プロバイダとして躍進したSo-netの原動力がコンテンツ、すなわち「ポストペット」であった。今後は、技術よりもコンテンツやサービスによる差別化が重要なポイントとなる。
(おわり)
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