E社で進められている、有能なプロジェクトマネージャ(PM)からPMノウハウを移植するプロジェクト(以下、プロジェクトHK)では、有能PM、一般PMへのインタビューを経て、PMノウハウが抽出され、いよいよこれをメソドロジ化していくことになった
できるPMからのPMノウハウの抽出では、いくつもの価値あるPMノウハウが見つかった。一方、一般PMに対するインタビューでも、何らかの気付きを持っている人や、信念を持った行動をとっている人がいることが分かった。
一般PMをできるPMのレベルに近づけていくためには、彼ら一般PMに対して本来的に期待する水準について合意形成を行い、その上で一般PMに不足しているものを見極めて、それを手順化した形で教え、さらに場を与えて鍛えていけば育成の可能性があることが分かった。
まずは手始めに、効果の大きなPMノウハウをメソドロジの形にし、一般PMに対して普及・定着を図ることにした。
有能PMから抽出されたPMノウハウの中には、ある程度手順として整理しやすいものが分類できた。これらのPMノウハウはプロセスそのものに大きな価値があるため、メソドロジの形にすることで組織全体に適用できる標準化がしやすいのである。これらは、まずは一般PMにやらせてみるのに向いているといえる。
そこで、アウトソーシング事業部のH氏から抽出された「仮説と事実に基づく検証による障害特定」(連載第2回)というPMノウハウを用いて、次のようなメソドロジのプロトタイプを作成した(図1〜3)。
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