実践! 自己組織化プロジェクト自己組織化プロジェクトの育て方(3)(1/4 ページ)

最終回は自己組織化プロジェクトを実践するために必要なノウハウや道具の紹介を行う。

» 2006年05月24日 12時00分 公開
[山根圭輔,アクセンチュア]

前回のまとめ 〜 すべてのものを「粒」で考えてみよう

 前回の「アリの生態にみる自己組織化のルール」では、プロジェクトマネジメントと一見何の関係もない、「アリ」の社会的行動が、シンプルなルールにのっとって自立的に機能している開発プロジェクトと同じ現象〜「自己組織化」という現象なのではないか? ということを述べました(比喩的に似ているのではなく、同じ現象なのではないか? というのがミソです)。

 そこで、この「自己組織化」現象をさらに推し進めるため、プロジェクトのあらゆるところで、自然のプロセスに倣い、

  1. 大きさのそろった「粒」をできるだけ増やすこと
  2. 「粒」と「粒」との連携は可能な限りシンプルにすること
  3. 「粒」と「粒」との連携方法に例外をなくすこと

という、シンプルなルールを当てはめるとよいのではないか、という結論を書きました。あらゆるものを「粒」としてそろえられないか? と考えるところがポイントです。

 今回はより具体的に、実際のプロジェクトでこの「自己組織化」現象を起こすためには、どんなことをしていけば良さそうなのか? というさまざまなアイデアを紹介していきたいと思います。

 が、その前に、そもそもいきなり「自己組織化を目指す!」と耳慣れない言葉を振りかざす必要が本当にあるのでしょうか? もしかしたら、その必要はないかもしれません。

 なぜなら、ここ数年話題に上ることが多い、「XP (eXtreme Programming)」や「SCRUM 」(スクラム)など、アジャイルソフトウェア開発プロセスと呼ばれる開発プロセスのほとんどが、実は多かれ少なかれ「自己組織化」を目指すプラクティスの集まりだったりするからです。

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