情報に対する考え方として会社の基本ポリシーができたら、普及・実践のための具体的なアクションを行っていく。今回は、「スキル研修」と「ガイドライン&テンプレート」について解説する。
新・お作法を実際に「現場に落とし込む」原動力となるのは、社員1人1人に対するスキル研修である。
以下を読むと「まるで新人研修のようで、ベテラン社員がやるまでもない」という声が上がりそうである。だが、ここで立ち止まってよく考えていただきたい。皆さんはこれまでこうした内容を「正しく」教えられたことがあるだろうか? 自分のやり方が実は「自己流」にすぎない、と自覚されているのではないだろうか?
「新・お作法」という新しい領域においては、「全員が新人」であるといっても過言ではない。いやむしろ、自己流のクセが身に付いてしまっている分、新入社員に比べむしろハンディを背負っているといえるのだ。
一般論ではなく、社内の実情を中心とした「今日から使える情報の在りか」をガイドすることで、情報収集時間の浪費をなくすことを目的とする。
・ 社内にある情報ソースの全容オリエンテーション
・ 検索エンジンの効果的な使い方ノウハウ
・ 社外の情報ソース
「必要十分なクオリティとは何か」を明示し、「それ以上のものを作ることは時間のムダである」ことを理解させるのが第一歩。次に簡単なテクニックで時間短縮効果を与えて、「仕事が楽しく」なるようにする。
・ ビジネスライティング
・ ITテクニック
「情報は個人のものではなく会社のものである」ことを理解させ、実行に移させる。
・ ファイル管理
・ 情報共有への意識
・ セキュリティに対する基本的知識
メールの読み・書き・保管は業務時間の最も大きな割合を占めており、その効率化が寄与するところは大きい。ポイントは「定型化(テンプレート化)」とテクニックの駆使にある。
・ メール向け文書作成
・ メールに関するITテクニック
議長として会議をリードする力も重要だが、それ以上にメンバーとして「リードされる力」を社員全員が身に付けて、初めて会議の改革は進む。
・ 時間コストへの意識
・ 会議の進行ルールへの意識
・ 会議のフォーマット遵守
もちろん、社会人のベテランである皆さんに、これらをすべて教える必要はない。ポイントだけをピックアップして半日程度、確認を含めて学べば十分だろう。このようにして上記のような知識を得ておくことで、今後の仕事の生産性が大幅にアップすることは間違いない。
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