エクストリーム・ミーティング(えくすとりーむ・みーてぃぐ)情報システム用語事典

xM /extreme meeting / 究極の会議

» 2007年01月19日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 効率的・生産的な会議を行うために提唱されたプラクティス(実践の方法)。会議プロセスの改善を通じて、プロジェクトや組織に変革・変質を迫ることを目的にしている。

 エクストリーム・ミーティングは、次のようなプラクティス集としてまとめられている。

  1. 議事録ドリブン
  2. リマインド
  3. ゴールの共有
  4. 一度に1つのトピック
  5. 議事録の共同注視
  6. 意味の明確化
  7. 時間管理
  8. 会議中に別の会議の設定をする
  9. 終了時確認
  10. マイルストーンの設定
  11. ロギング&トラッキング
  12. ToDoの共同所有
  13. 議事録の共同所有
  14. 共通の言語
  15. ラフコンセンサス&エグゼクティブタスク

 この中で最も重要なプラクティスは、“議事録ドリブン”である。これは会議中に会議の目的やゴール、アジェンダをプロジェクタで投影するなどして参加者全員で共有して、会議における発言や決定事項も逐次その議事録に書き込んでいくという会議手法。議事録を作りながら議事を進行することで、会議終了時には内容が相互に確認された議事録が自然に完成する。

 プロジェクトにおける定例会議のような場合は次の会議までの期間、メンバーは議事録に書かれたタスクをこなしていくとともに、次の会議のアジェンダをグループウェアなどを通じて作っていき、次の会議はその未完のアジェンダを仕上げる場として行われる。

 エクストリーム・ミーティングは、このようにして作られる議事録を中核に据えて、各プラクティスで議事進行や確認すべき事柄などを規定している。この手法は、作業の進ちょく確認や結論を出すための会議が対象となっており、アイデアを生み出したりするためのブレーンストーミング会議などには向かない。

 エクストリーム・ミーティングは、伝播投資貨幣「PICSY」の提唱者として知られる鈴木健氏が2003年に自身のブログ「PICSY blog」に書いた「究極のグループウェアに求めるもの」というエントリーをきっかけに、会議運営にフォーマットを与えるソフトウェアを作るプロジェクトが生まれ、会議支援ツールから会議運営プラクティスが分かれる形で整理されたものである(ツール開発プロジェクトは、2004年度/2005年度 未踏ソフトウェア創造事業に採択される)。その名はエクストリーム・プログラミングから付けられた。

 エクストリーム・ミーティングを実践するためのツールは、現在サルガッソーが「SARGASSO XM」として提供している。

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