上記で、機器を設置するスペースと稼働のための受け皿は整いました。次は、機器の設置と運用を行います。これに関連するサービスを表2にまとめました。
機器設置に関するサービス | 棚板販売 ケーブル販売 コンソール貸し出し 設置工具貸し出し ゴミ廃棄 荷物発送サービス 荷物受取サービス |
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運用管理に関する基本的サービス | 電源容量測定・管理 電源の操作・LED確認 機器の死活監視 |
表2 データセンターの提供する機器の設置・運用のためのサービス |
この種のサービスは大きく、機器設置に関するサービスと運用管理に関する基本的なサービスに分かれます。
機器設置に関しては、以下の点を考慮します。
1.緊急時に手ぶらで掛け付けても対応可能か
2.不要となったものを処分または返送可能か
3.設置予定機器はあらかじめ発送しておけるか
データセンターでは、これらの点で利用者をサポートするいくつかのサービスを行っています。
設置する機器がうまくラックに収まらない場合は、棚板を設置する必要があり、このための棚板をデータセンターでは無料貸与、または販売という形でサポートしてくれます。
機器を設置する際に、突然イーサネットのクロスケーブルが必要になるケースもあります。この場合のケーブル類の販売も心強いです。緊急対応で運用者が掛け付ける際には、コンソール用のPCなどを持ち合わせていないケースもありますから、コンソールディスプレイやキーボードなどの貸し出し、機器を設置し直すために必要なドライバーなどの工具の貸し出しは、最近のデータセンターでは必須のサービスといえるでしょう。
設置する機器は相当に重いことが多いですから、あらかじめ発送した機器のデータセンター側での事前受け取り、機器を設置した後に不要となる箱などの処分、または自社への発送代行なども便利なサービスです。
こうした機器設置に関するサービスは、ほとんどのデータセンターで対応していますが、有料・無料の違いがあり、一部では、そもそも荷物の受け取りの代行はしていないところもありますので、確認しておく必要があります。
運用管理に関するサービスとして重要なのは、電源容量の管理、トラブル時の一時対応、そして基本的な監視の3つです。
電源容量の測定・管理は、設置した機器を安定的に維持するために必要です。機器を設置した後に電源容量が規定値を超えていないかを確認できる何らかの仕組みがあることが望ましいです。
測定器の貸し出しがあるか、または、センターの管理室で確認してもらえるかなどあらかじめ確認しておいた方がよいでしょう。運用者は遠隔地から機器を操作する以上、遠隔から操作が難しい電源の再投入・リセット、機器のLEDなどの外観からの確認は、トラブル時の一時対応として絶対に必要なサービスとなります。このほか、データセンターが提供するインターネットへの接続サービスを併せて購入している場合は、設置したネットワークへの接続性の確認ということで、pingなどによる死活監視もあると便利です。
これらも、データセンターの基本サービスとして含まれているケースが多いですが、有料サービスとなっているところもありますのであらかじめ確認しておきましょう。
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