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» 2007年10月16日 00時00分 公開

情報システム用語事典:コーポレートガバナンス(こーぽれーとがばなんす)

corporate governance / 企業統治 / 会社統治

[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 企業価値最大化・企業理念実現に向けて経営陣(専門経営者)を動機付けるとともに、企業経営の公平性・健全性・透明性を確保し、維持・推進する制度や仕組みのこと。

 その基本は、「所有と経営の分離」が進んだ今日の企業における、経営者に対しての規律付け、権限の制限・牽制、監視と評価のことであり、米国型ガバナンスを前提した場合、株主利益を代表する取締役会/取締役が主体となる制度やプロセスである。監視・評価の主体を取締役に限定せずに、幅広いステークホルダーが関与するものと位置付ける立場もある。

 取締役などの経営監視者は、経営者がその企業の目的(利益や価値の向上)を実現する意欲と能力を持ち、意思決定およびそのほかの活動に対する説明責任を果たしているかをチェックし、また不法行為や非倫理的な行動、会社の私物化などをしていないかを監視する。

 具体的な方法としては取締役と執行役の分離、社外取締役の導入、監査役・内部監査の権限強化、独立した(役員)指名委員会や報酬委員会の設置などが挙げられる。企業憲章・定款・社則などによるポリシーやルールの表明、法定監査、株主代表訴訟、公益通報などの内外の諸制度もコーポレートガバナンスを補完するものだといえる。コンプライアンス内部統制は、コーポレートガバナンスを達成するための手段となる。

 OECD(経済協力開発機構)はコーポレートガバナンスの指針として、1999年に「OECD Principles of Corporate Governance」(OECEコーポレート・ガバナンス原則)を策定、2004年に同改訂版を発行している。そこでは「株主の権利・役割」「株主の公正な待遇」「ステークホルダーの役割」「情報開示と透明性」「取締役会の責任」などの原則が掲げられている。

 コーポレートガバナンスの形態は企業ごとに異なるのは当然だが、基本となる類型も国や地域(すなわち文化や慣習、そして法的規制)によって異なる。大きくは、企業の主権者(株主)が自身の利益を守るために代理人(専門経営者)をいかにコントロールするかという観点が中心となる「株主主権型」と、さまざまな関係者が相互の利害関係を円滑に調整することが望ましいガバナンスをもたらすという観点に立った「ステークホルダー型」に分けられる。

 日本のコーポレートガバナンスは一般にステークホルダー型といわれるが、2003年4月施行の改正商法で株主主権型に当たる「委員会等設置会社」が認めれた。さらに2006年5月施行の会社法で、会社機関を固定的に規定せず、一定の制約下でさまざまな機関設計ができるよう規制緩和されている(基本は、監査役設置会と委員会設置会社である)。

参考文献

▼『企業ガバナンス構造の国際比較』 深尾光洋、森田泰子=著/日本経済新聞社/1997年

▼『OECDのコーポレートガバナンス原則』 OECD閣僚理事会、OECD民間諮問委員会=編/奥島孝康=監修/酒井雷太=訳/金融財政事情研究会(きんざい)/2001年

▼『比較コーポレート・ガバナンス論――組織の経済学アプローチ』 菊澤研宗=著/有斐閣/2004年


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