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» 2008年03月03日 00時00分 公開

情報システム用語事典:TickIT(てぃくいっと)

tickit / ティックイット

[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 ソフトウェア関連の業務を行う組織向けの品質マネジメントシステムの認証プログラム。ソフトウェアに特化した基準と手引きを用いて独自の組織と資格を定め、ISO 9001を基礎とするアセスメントと審査登録が行われる。Tickはイギリス英語でチェックマークのことで、「ITをチェックする」という意味で名付けられた。

 TickITは、英国コンピュータ協会(BCS)を中心に英国のIT業界が協力して構築した、ソフトウェアの開発・保守、情報サービス事業者を対象とした第三者認証制度である。ISO 9000シリーズをベースにしながら、独自の組織・規則・手順を持ち、手引書と付属書を発行している。2008年現在、手引書の最新版は「TickIT Guide Issue 5.5」(2007年11月発行)で、「パートA:TickITとTickIT認証の導入」「パートB:カスタマ・ガイダンス」「パートC:サプライヤ・ガイダンス」「パートD:審査員ガイダンス」「パートE:ソフトウェア品質マネジメントシステム要求事項 − 標準パースペクティブ」「パートF:ソフトウェア品質マネジメントシステム要求事項 − プロセスパースペクティブ」の6部構成になっている。

 審査は形式的にはISO 9001を基準とするが、実質的にはさらに詳細なレベルの高い基準が適用される。認証取得を示すロゴもISO 9000シリーズとは別種のオリジナルのものを使用しており、事実上業界特化型の独立プログラムになっている。審査員に対しても固有のトレーニングと資格を要求しており、国際審査員登録機構(IRCA)に登録しなければならない。

 英国のIT業界は1980年代、ISO 9001をソフトウェア開発プロセスに適用するのに苦労したことから、よりソフトウェア関連業務を意識した規格を望んで声をあげていた。1991年に英国貿易産業省(DTI)は、BCSに対して認証制度の組織や手続きを定めるように要請し、定義されたのがTickITである。最初のTickITには、国際規格である「ISO 9000-3:1991」がそのまま組み込まれていた。ISO 9000-3は本来、ガイドライン規格であって第三者審査登録での使用を意図しないものだったが、TickITではこれを事実上の要求事項として準用していた。最新の「TickIT Guide」にもISO 9000-3の後継であるISO/IEC 90003が参考文書として登場する。

 1993年以後は英国規格作成機関(BSI Standards)の管理となり、英国規格協会(BSI)が「TickIT Guide」を発行している。2006年には、BCSとBSI、業界団体のIntellectが、TickITの責任機関として「統合TickITインダストリ運営委員会」(JTISC=the Joint TickIT Industry Steering Committee)を設立している。また、TickIT認証登録サービスの提供を希望する審査登録機関に対する認定は、英国認証機関認定審議会(UKAS)とスウェーデン認定適合性評価局(SWEDAC)が行っている。日本にも認定を受けた審査登録機関があり、一般のIT企業が国内で登録審査を受けることができる。

参考文献

▼『ソフトウェア品質システム審査登録ガイド ソフトウェア ISO 9000』 飯塚悦功=監修/「ソフトウェア分野におけるISO9000」研究会=訳/日科技連出版社/1996年


関連用語

▼ISO 9000


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