BPMSのSがスイートとなっている製品、つまり「ビジネスプロセスマネジメント・スイート」の場合、幾つかの機能が集まって、総合的にシステムの早期実現と業務の継続的改善を支援します。
■BPM実行エンジン
BPMSの中核を成す基盤システムです。モデラーで設定されたビジネスモデルに基づいて、複数のビジネスプロセスを正確かつ柔軟に制御します。Javaなどの実行コードを自動生成するコードジェネレータとして機能するタイプや、外部のアプリケーション(サービス)を順次呼び出して連携させるBPELサーバなどがあります。可用性、拡張性、オープン性、回復制御、履歴管理などの基本機能を提供します。
■プロセスモデラー
業務プロセスの流れを描くツールです。この作業をビジネスモデリング(ビジネスプロセス・モデリング)などといいますが、BPMSにおいては“仕事の流れ”をフローチャートに描くことだと考えればいいでしょう。モデリングにはいろいろな表記法がありますが、BPMSではBPMNが業界標準です。
■シミュレーション機能
モデラーで描いたモデルに数値を設定し、シミュレーションを行う機能です。改善案の事前評価を行えます。
■組織モデラー
企業の人事組織モデル(構造、要素間の関係や設定など)を描くツールです。ビジネスプロセスのモデルとリンクして利用されます。
■ワークフロー機能
モデル化されたビジネスプロセスをベースに、実際に稼働するワークフローの機能を現場に提供します。
■ビジネスルール管理
BRMSの機能を搭載、あるいは連携することで、個別のプロセスにおける判断を自動化し、プロセス全体の自動実行を支援します。
■ソフトウェア開発
モデラーで作成したモデルを基に、実行プログラムを開発するための開発環境です。Eclipsや.NETが利用されます。
■システム連携機能
ESBやEAIの機能を搭載、あるいは連携することで、既存の業務システムとの連携を行います。
■プロセスモニタリング機能
BAM機能により、業務の実行状況を常に監視・リポートします。問題が発生した際の即時対応、事後の業務改善に役立ちます。
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