5分で絶対に分かるBPMS5分で絶対に分かる(2/6 ページ)

» 2008年03月21日 12時00分 公開
[宇野澤庸弘日本BPM協会 副事務局長]

1分 − 会社における「仕事の構造」

 会社で行う仕事は、複数の工程(プロセス)をみんなで分け合って行う分業です。分業を実現するには、工程同士が連絡を取り合って、作業の受け渡しを実現する必要があります。「営業部門が受注したので、製品を出荷する」「生産オーダーが決定したので、部材を発注する」といった“流れ”を実現するため、会社ではいろいろな方法で仕事の始まりや終わりを伝え合っています。

 一部には「ワークフロー・システム」や「ERP」などが使われているかもしれませんが、多くの場合は口頭や電話、電子メールでの指示だったり、出庫指示書や支払依頼書といった伝票を使ったりしているでしょう。

 これから説明するBPMSは、このような“仕事の流れ”の「構造化」「標準化」「可視化」「自動化」を支援するビジネスプラットフォームを構築するソフトウェアです。個々の工程(業務機能といってもよいですし、ビジネスコンポーネント、あるいはサービスといってもいいでしょう)を組み合わせて、ビジネスプロセスを「設計」「実行」「管理」することで、組織における業務の遂行と改善をサポートします。

 いま「仕事」「工程」「作業」という言葉を使いましたが、工程1つ1つの単位(粒度)は相対的なものなので、どれが仕事で、どれが作業なのかを統一的に決める基準はありません。しかし、個人的な作業から会社全体の仕事まで、階層的な構造があることは分かると思います。

図1 「仕事」は階層的分業構造になっている

 BPMSで個々の工程=要素となるのは、「個人(担当者)」「組織(部門)」「業務アプリケーション」などです。これら要素の組み合わせを変える場合、従来は“組織変更”とか、“業務改革”、あるいは“システム化”といった掛け声の下に行われるのが一般的でした。これを日ごろから常時モニタリングし、(大規模改革であれ、小規模改善であれ)最適化できる基盤を提供するのがBPMSなのです。

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