5分で絶対に分かるBPMS5分で絶対に分かる(6/6 ページ)

» 2008年03月21日 12時00分 公開
[宇野澤庸弘日本BPM協会 副事務局長]
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5分 − BPMSが変えるITシステムの使い方

 最後にBPMSが実現するシステムの特徴と効果をまとめてみましょう。

■すぐにシステム変更ができます

 業務システム(アプリケーションソフトウェア)はシステムソフトウェア(OSなど)に比べれば、単純なプログラムです。しかし、IT技術者がユーザーから要求を聞いて仕様を定義して、さまざまな制約を考慮しながら設計し、それをプログラミング言語でコーディングするという方法では時間ばかりかかってしまい、ユーザーは「こんな単純なことがどうしてすぐにできないのか?」と不満を持つことになります。BPMSはそれを大幅に変革します。

■ユーザーが主役です

 ビジネス上の要件と要求を一番よく知っているのは、ビジネスパーソン=ユーザーです。BPMSはユーザー自身が「システムを作る」基盤を提供します。モデル設計者となるユーザーはビジネスを分析して構造化する能力が必要ですが、IT技術者がさまざまな領域におけるビジネス知識を身に付けるよりも現実的です。ユーザーがビジネスをモデル化することで、システム開発に俊敏性が生まれます。これからの業務システム開発においては、ビジネスユーザーが主役になるのです。

■システム連携を前提にした業務設計ができます

 ほんの数年前まではシステム連携は非常にコストの掛かるものでした。最近では連携技術の整備・標準化が進み、連携が容易になってきました。これら連携技術を取り入れて、人と人、人とシステム、システムとシステムのつながり方を“見える化”するBPMSは、変化対応力に優れたITシステムを実現するでしょう。

■変更は善

 「安定稼働しているITシステムは、できるだけいじらない」というのが、大方のIT技術者の考え方でしょう。このため、現場ユーザー部門の改善要求を情報システム部が突っぱねて、いらぬコンフリクトが起こるケースも見られました。BPMSは、ビジネス変化対応力の制約事項の1つになっていた従来型システム開発からアプリケーション利用者を解放します。


 BPMSは、経営手法としてのBPM(継続的なプロセス改善)を推し進めるために重要な基盤システムですが、業務アプリケーションの在り方を変えるという観点からも強力なツールです。米国の調査会社フォレスターリサーチは「The Dynamic Business Applications Imperative」というリポートで、「DBA(Dynamic Business Application=変化対応力に優れたアプリケーション)を開発するには、SOAとB3(BPM+BI+BRM)とWeb 2.0が必要だ」と述べています。同じく米国の調査会社ガートナーは、BPMSがソフトウェア開発においてパラダイムシフトを起こすと分析しています。

 日本では2006年1月に日本BPM協会が設立されており、BPMの普及・推進の活動を行っています。

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