オラクルがヘルスケア分野を強化、組み込みDBを活用画像診断ソリューションを開発へ

» 2008年04月18日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 オラクルは日本でヘルスケア分野を強化する方針だ。同社の組み込みデータベースを活用し、画像診断アプリケーションを構築。遠隔地にいる医師が鮮明な画像を見て、診断できるようにする。Oracle Asia Pacificで組み込み事業ユニットを統括するバイスプレジデントのマーク・バートン(Mark Barton)氏は、日本のパートナーとともに現在、PoC(Proof of Concept)を行っていることを明らかにした。「高齢化の進展でヘルスケア分野は成長が期待できる」(バートン氏)とみている。

 バートン氏によるとオラクルが進めているのは、X線などの医療画像をOracle Databaseに格納し、遠隔地にいる医師が手元のデバイスで画像を呼び出して、診断するソリューション。医師が利用するデバイスに、オラクルの「Oracle Lite」「Oracle Berkeley DB」を搭載し、手元で画像を分析できるようにする。バートン氏によるとすでに欧州では同様のソリューションを展開しているという。「医師が患者について包括的な情報を持つのが重要だ」とバートン氏は話す。画像を使った遠隔診断を行うことで「治療の安定性、スピードが向上する」と説明した。オラクルは2008年中にこの新しいソリューションを公開する考え。

Oracle Asia Pacificの組み込み事業ユニット バイスプレジデントのマーク・バートン氏

 オラクルの組み込み事業はリアルタイム性能が求められる通信アプリケーション、通信機器向けで成長してきた。バートン氏によると、日本とアジア市場でオラクルの組み込み事業は昨年度100%以上の成長だった。オラクル全体でも組み込み事業は昨年度23%の成長。バートン氏はヘルスケアのほかに、自動車や交通分野にも力を入れる方針を示した。

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